第二章10 『追放』
教会内法定――『異世界転生者へパイトス氏の殺人事件』
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◆冒頭手続き
廷 吏 「起立」
書記官 「被告人、へパイトス氏に対する『殺人被告事件』 」
裁判長 「では、これより審理を開始します。被告人は前へ」
裁判長 「名前を言ってください」
被告人 「ミトスフィア・ミーリアです」
裁判長 「所属はなんですか」
被告人 「第零課正史編纂室です」
裁判長 「職位はなんですか」
被告人 「室長です」
裁判長 「それでは検察官、起訴状を朗読してください」
検察官 「公訴事実。被告人は第一、異世界転生者のへパイトス当時48歳に対し殺意をもって、被告人の部下
裁判長 「これから今朗読された事実についての審理を行いますが、被告人には黙秘権がありますので、質問に対してずっと黙っている事もできますし、答えたくない質問には答える必要はありません。ただし、この法廷で述べたことは、被告人の有利不利を問わず証拠として用いられることがありますから、質問に答えるときはそれに注意してください。それでは最初の質問です、今、検察官が朗読した事実について、何か違うところはありますか」
被告人 「へパイトス氏の殺害については、捕縛の際にへパイトス氏の抵抗が想像以上に強く、
裁判長 「弁護人のご意見」
弁護人 「被告人と同じであり、被告人の部下、
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◆被告人質問(検察側)
裁判長 「では、被告人質問をします。検察側どうぞ」
検察官 「これは、本件公訴事実記載の日時場所において
被告人 「そうです」
検察官 「被害者に先ほど述べた直接的な死因となった凶器ですね」
被告人 「そうです」
検察官 「鞘はありますか」
被告人 「ありません」
検察官 「所有権を放棄するということでよろしいですか」
被告人 「はい」
検察官 「以上です」
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◆被告人質問(弁護側)
裁判長 「では、被告人質問をします。弁護人どうぞ」
弁護人 「まず、あなた自身のことを聞きます。あなたは、本件で逮捕されるまでの間に異世界転生者の殺人に関わったことはありますか」
被告人 「はい。第零課正史編纂室の職務として転生者
弁護人 「他にも、国内の転生者を殺害したことはありますか」
被告人 「ありません」
弁護人 「続けて聞きます、国外の転生者を殺したこともありませんね」
被告人 「はい」
弁護人 「今回の一件についても、事故であり意図的ではなかったものであると」
被告人 「はい」
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◆最終陳述
裁判官 「検察官論告をどうぞ」
検察官 「論告は以上です。公訴事実についてはその証明は十分と考えます。以上の事情を考慮し検察側は被告人の無期懲役が妥当だと考えます。裁判官、弁護人、弁論をどうぞ」
弁護人 「公訴事実についてですが、本件は業務上の過失事故であり、被告人が悪意をもって転生者を殺したという事実はありません。被告人は今回の業務上の過ちを心から反省していること、前科がないことも合わせて考慮の上、執行猶予を付した寛大な判決をお願いします」
裁判長 「それでは被告人もう一度前へ出てきてください。なにか、最後に言っておきたいことはありますか」
被告人 「私と
裁判長 「それでは判決について申し上げます。被告人及び実行犯
廷 吏 「起立」
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こうして、ミミと僕は教会籍を剥奪の上、国外へ追放されることとなった。なお、ベオウルフさんも同様に出廷を要請されていたが既に
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