第二章3 『一刀遣いのへパイトス』
重い足取りで第零課正史編纂室にたどり着く
「ミミ。すまない。ベオウルフさんのところに交渉に行ったけど悪剣遣いの2人を譲ってもらうことはできなかった」
結果を出せなかった事実に言葉を詰まらせながら伝える
「しゃーなしだよ。
ミミは意外性もなくこの結果が当然のような反応だ。あまりにすんなりにミミが納得してくれたので逆に肩透かしをくらう。僕はあれだけ胃をキリキリさせながらこの部屋にはいってきたというのに。
「おや。異世界転生者絡みのことだから怒ると思ったんだけど?」
「まっ……。あの男相手にまともな交渉なんてムリムリ。特に今回はもともと“悪剣遣い“は
ミミはよほどベオウルフさんと関わりたくないのか、早々にあきらめモードだ。――たしかにミミとは相性はあまり良さそうではない。ベオウルフさんは体がやたらデカくて威圧感あるしな。
「ミミの期待に添えられるかは分からないけど一応、ベオウルフさんから譲歩案は提示してもらえたよ」
目をキラキラと輝かせ露骨に上機嫌になる我が上司様。
「すごーい! さすがわたしのきーちゃん。どんな譲歩案をもらってきたの?」
「ベオウルフさんが
「やるじゃんきーちゃん。惚れ直しちゃうかも。すごーい!」
すごーい!……。
「それにしても
「んー。ミミも調べてはいるけど“
「なんかいろいろ最悪の組み合わせだな……。一刀を詠うくらいだからなんとなく“剣の道を極めた
「あはは。確かに正統派の相手は姑息なきーちゃんにとっては相性のいい相手だね。じゃんけんのグーに対するパーみたいな。
教会の図書館で過去に彼が殺めた人間の検死報告書なんかも読んでみたけど、普通にズバッと斬り殺されただけで、死体にはこれといって特徴はなかったらしいよ」
想像通りなら敵は僕の得意な相手っぽいな。あとはベオウルフよりも早く相手を暗殺することを考えよう。
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