第断章   『彼女と私の契約』

大切な人■■はこわれてしまった

私は■■の中に居る彼女に会話を試みる


激しい怒りと悲しみ――■■への憎悪



私は彼女に伝えた



全ては私が命じたことであると

全ての責任は私にあるのであるのだと

■■の代わり私を憎んで欲しいと懇願した


彼女からの回答はなかった

理解してくれたかどうかは疑わしい



私は彼女に一つの契約をもちかけた



壊れかけた■■の魂と一つになって欲しいと

■■の魂と一つになることで

■■の魂の崩壊を防いで欲しいと

もろくて弱い■■の魂をささえて欲しいと

それが荊冠の儀ギアス



彼女は私に問う。その代価は何かと



私は答えた。彼女にこの世界で

活動するためのからだを与える受肉させる


あなたの念願でもある■■を

復讐することが可能な

からだを提供すると


その保証として仮に私が

契約を反故にした場合は

私という存在がバベルの図書館アカシックライブラリ

から永遠に抹消されるという契約を結んだ


それはバベルの図書館アカシックライブラリ

強制力をもった絶対の契約


一度この契約を交わしたら契約を

反故にした者は輪廻の枠から

完全に除外されるという最大の罰


それはゲーム盤から外された

チェスの駒になることに他ならない



彼女は告げた



■■を魂の中で監視し続けると

彼女の大切な人を殺した■■

がどんな人物なのかを見極めて

それから――殺すと


バベルの図書館アカシックライブラリを介しての

荊冠の儀ギアスはそれで終わった



そろそろ■■がこの部屋に戻ってくる

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