第零章8  『俺の嫁(仮)たちの女子会』

◇◆とある居酒屋の女子会にて◆◇


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


オルガ鬼族「うちらの旦那さぁ…あれ完全に童貞だよなぁ?」


フーラエルフ「間違いない。我があるじはチキンな童貞だ。奴隷として買われた当初は毎夜我があるじから辱めを受けるのを期待――覚悟をしていたが……。

その後何のアプローチもなし! 我があるじはとんだ臆病者玉無しだ! 女性としての尊厳をひどく傷つけられた!」


カッツェ猫科獣人「にゃはは! 最初はご主人様は女性に興味がないのかと疑うこともあったにゃ。だけど、ダンジョン探索の時にやたらとお尻や胸に視線を感じるし…。

ご主人様は女の子に興味無いわけではなさそうにゃ。必死に隠してはいるけどバレバレにゃ☆ そこがかわいいんだけどねー」


リーンハーフリング「あたいはボスは――これいいずらい話なんッスが、ロリコンだと思うッス――。つーか絶対そうッス!

ぶっちゃけハーフリング族を買う人族の男はたいていはロリコン野郎っす。だってあたいはボスの身長差30cmくらいあるっすよ――。

おまけに童顔だし人族ならもう完全にアウトッス! 都条例ッス! ボスはロリっ子のあたい狙いなんっす! あたいの貞操があぶないッス!」


オルガ鬼族「おいおいリーン落ち着け……。あとおまえ、自分でロリっ子言うなよ……。幼い外見はハーフリングの種族的なものでおめーは成人しているし、むしろこの中では一番の年長者の方だろ――。

もはやハーフリング族ってのは種族単位での年齢詐称みたいなもんだよな。でもよー。もし旦那がロリコンっつーならさあ、俺のような旦那よりデカい女買うのはおかしくねぇか? 

エルフ族のフーラだって長身だぜ? 俺の考え的には旦那はガテン系の女がタイプと見た!」



フーラエルフ「お前も落ち着けオルガ――。それにしても我があるじはなぜ異種族混成のパーティーを組んだのだろうな? 一般的には奴隷を買うにしても価値観が近く意思疎通が図りやすい同一種族を買うのが普通なのだがな」



カッツェ猫科獣人「ご主人様が奴隷である僕たちを一般人と同じように扱うその優しさは嬉しいけど、その優しさがちょっと心配でもあるにゃ☆」



リーンハーフリング「たしかにー。ボスはなんか詐欺師に壺を騙されて買わされて無一文になってたりしそうなオーラあるっすよねー。あははー。ボス絶対だまされやすそー」


オルガ鬼族「旦那は街では“大賢者様”なんて呼ばれていたりするけど、間近で接してるとそんな感じは一切しねーんだよなぁ。

なんっつーか抜けているというか天然というか。まぁそこが旦那の憎めないとこなんだがな!」


カッツェ猫科獣人「そこがご主人様のかわいいとこにゃ☆ そうならないようにボクたちで旦那様を護るにゃ! 

まっ…仮に旦那が詐欺師に騙されて無一文になったとしたらボクの専業主夫になってもらってボクが主人様の生活をささえるから大丈夫にゃん☆」



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