第零章5  『SSRスキルに依存しよう!』

 俺自身チート系の転生者なので、あまり「テンプレ最強異世界転生者奴(笑)」とか煽れない立場の人間であることはここで白状しよう。うむ。


 純文学じゃないんだし、無双したってええじゃないか。無双せずして何が異世界転生者か! 俺が街で大賢者と呼ばれるようになったのは、ぶっちゃけ全てSSRの異能「万能の司書アンリミテッドブック」のおかげだ。


 転生前凡人以下の俺がスキルに依存せずに異世界無双できるわけないっす――。さすがに異世界もそこまであまくはないです。この万能の司書アンリミテッドブックどんだけ有能か。説明させて欲しい。


以下は俺と「万能の司書アンリミテッドブック」とのやり取りだ。


◆◇◆◇◆◇◆◇


万能の司書アンリミテッドブック。明日の天気を教えて!」

《了解:――マスター。晴れ時々雨です。念のため雨具の用意を》


万能の司書アンリミテッドブック。あの黄色いスライム俺倒せそう?」

《――マスター。80%の可能性で負けます。死にたくなければ逃げましょう》


万能の司書アンリミテッドブックさん。もてる方法教えて!」

《――マスター。まず清潔感が大事です。まず似合わない無精髭を剃りましょう。あと若干加齢臭がにおうので体はよく洗って下さい。服も生乾き臭がハンパないです。衣類は太陽の下でよく干しましょう》


万能の司書アンリミテッドブック先生。このキノコは食べても大丈夫?」

《――マスター。軽い毒があります。火を通せば食べれます。味の保証はしません。》


万能の司書アンリミテッドブックさん。きみの性別は?」

《――マスター。セクハラです。不快なので同じ質問をしないでください。》


万能の司書アンリミテッドブックさん。正直「ばんのうのししょ」ってめっちゃ呼びずらいんですけど、あだ名つけて良い?」

《――マスター。私には名前があります。以後、ソフィアとお呼びください。ちなみにソフィアという名前は叡智を司る神の名前を冠して付けられたそうです。なんでしたら私の事は叡智の神と呼んでもらっても一向にかまいません――。》


◆◇◆◇◆◇◆◇


 とまぁこんな感じで、万能の司書アンリミテッドブックことソフィアさんは、俺が質問したことには何でも答えてくれるのだ!


ソフィアは右も左も分からない異世界で超頼りになる相棒なのだ!

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