第零章3  『ハーレム王に俺はなる!』

一見地味なスキルが実は激レアスキルというのはもはや我々の業界では常識!――なのである。ちょっと鬱な感じの自分語りをさせてほしい。というのもなぜこのガチャSSR異能をゲットできたのかにも多分関連するからだ。


苦手な人はスクロールダウンでスキップ推奨だ!


 思えば転生前の人生では、人生の岐路にあたって全て間違った選択をしてきた。受験、就活、就職先、すべて間違った選択をしてきた。相談する友人も、正しい選択を選べるだけの知識もなかった。運もなかった――。


 その結果が自業自得ぎみな無様な過労死だ。俺は生前は相談する相手…友達が欲しかったのかもしれない。


 神様的な存在から一方的に与えられた能力ではあるが、このギフト異能は、俺が持ちうるラノベやアニメから学習した「異世界転生」知識に照らし合わせて考えると、かなり当たりガチャSSR異能だと自負している。


なぜ当たりと思うか根拠を説明させてもらおう!


「身体能力最強」系の能力は、一件異世界無双できそうだが意外に潰しがきかなくて理不尽系の初見殺し技を使うちょっとクセのある中ボス的なキャラになすすべもなく倒されるかませ犬キャラに与える能力だ。


「伝説の武器」なんかは盗まれたら終わりだ。それに物理無効化とかそういう耐性を持つボスには役立たないし。魔剣的なものに体を乗っ取られる可能性だってないわけではない。―まぁ……異能ギフトの設定的にこれはないか。


 死に戻り系の異能ギフトを与えられても、DARK SOULSですら心が折れた俺が有効活用できず廃人になるのがせきの山。


 仮にサディスティックな拷問マニアに監禁されて拷問される直前でチェックポイントが設定されたら、ゴールドエクスペリエンスレクイエム状態で無限に拷問を経験するはめになるわけだ。


 ああ……想像するだけで金玉が縮む思いだ。そんな感じで、お約束通り特殊能力チートを授かって異世界に転生したのだ!――転生したのだ!


嬉しかったので大事なことでもないのに二度言いました。


 一言付け加えると、転生ボーナス的な効果で、健康で引き締まった体はデフォルトでついてきたよ! 転生前のBAD STATUSはオールクリアだ!


 というか、例えば電車に轢死して転生したり、末期ガンの患者が前世の体のまま転生してきても無理ゲーなわけで、これも神様の無料サービス的なアレということだろう。うんうん。


転生部屋白い部屋」を開けると其処は雪国だった――ということもなく。ふつーに獣人や剣・魔法ありありの中世ファンタジー世界で安心しました、まる。随所にオーバーテクノロジー的なものも存在していたけど、まぁ誤差の範囲。


なにより俺の大好きな猫耳っ子が居るのがすいい! ビバ異世界!


 せっかく健康な体と特殊能力チートを得て異世界転生したわけだ。いろいろやりたいことはたくさんある。だけどとりあえず、目標がないのもあれなのであえて宣言しよう!



「ハーレム王に俺はなる!」

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