【推論】なぜ産声が発する周波数が全世界共通で440ヘルツ前後(A)であるのか
千菅ちづる
『ピュタゴラスへの挑戦状』なぜ産声が発する周波数が全世界共通で440ヘルツ前後(A)であるのか
推理目的
440ヘルツにあてられているAの命名の由来の解明。人間の機能と音律発見の関連性の証明と、それに伴うピュタゴラス音律の生物学的見地からの裏付け。音、および音律形成の起源の解明。これら3つを目的とし、この推理を為す。
推理内容
まず前提として、1939年ロンドン国際会議にて、
A=440ヘルツ
と現在定義されている。
論題が示す通り、産声の周波数は全世界、民族、人種を問わず約440ヘルツである。
しかし、民族、人種が異なれば、気候や、宗主国制度によって他民族・他人種が移住していることなどを要因に、骨格が異なってくる。それはすなわち、民族・人種の違いにより、骨振動と声帯によって発される『声』が異なることに直結する。
しかし、産声の周波数は先述の通り世界共通である。
さて、そもそも周波数の抽象版とも呼べる音律を発見したのは、ピュタゴラスであるという説があるが、それは音叉もない時代であり、基準が存在したとは考えられない。
絶対的な基準が存在しなければ、基準と相対的に存在する、絶対性を持つ音律を見つけることにも至れない。
もし、絶対的な基準をピュタゴラスが恣意的に設けたとしても、それを信じるのはピュタゴラスの信者しかおらず、ピュタゴラスにとっては仮として配置されただけの基準ということになる。
しかし、元からピュタゴラスを含めた、他の人々にも受け入れられる絶対的な基準が存在していたならば、仮ではなく確証があった上でその絶対的な基準を設定したといえる。
さて、鳥類のなかでもガチョウの雛には、インプリンティングと呼ばれる機能が備わって産まれてくる。これは最初に目にしたものを親として認識する機能である。鳥類というものは、人間よりも遥かに視力が高い。それは食事をするためであり、敵から逃げるためであり、突き詰めれば生き抜くために必要な能力であるからである。そういう形に進化したのである。
ではヒトはどうかといえば、声帯が他を逸するほどに進化している。これは、脳が発達し知識が身につき、それにより生き抜くための特異な能力を必要としなくなったためである。そして声帯を使い、他個体とコミュニケーションをとることで、特異な能力を持たずとも"数"という力を使うことで他種族を圧倒していっているのである。
さて、しかしここで、『人間は声帯と呼応するように聴覚も発達しているのだから、声帯からのインプリンティングではなく、聴覚からのインプリンティングなのではないか』という意見も出るかもしれない。
しかし、産声をあげたときの赤ん坊というものは、耳が完全には発達しておらず、外部からの音を鼓膜を通じて認識・記憶することは非常に困難である。
しかし、異常な興奮状態の際に、外部から与えられていない音を、脳内で聴くという現象は起こる。
その"異常な興奮状態"というものは、胎内から出て初めて自分の口を使って呼吸を試みるときにも当てはまる心理状態と呼べるもののはずである。
それになにより、人間の声は、発声者側は自分の頭蓋骨が出す響きである骨動音を聴きながら発している。
異常な興奮状態で、骨動音を聴くならば、産声の記憶が、海馬を通した最も古い神経として残っていてもおかしくはない。
一方鳥類は、そもそも聴覚が発達しておらず、条件としては生まれたての赤ん坊と同じである。
となれば、視覚が特化している鳥類が手にしている、視覚からの情報によるインプリンティングは、声帯が特化しているヒトにも備わっている可能性はないか。
もしも、インプリンティングの機能が備わっているのならば、ピュタゴラスが基準として設定した絶対的な周波数に対し皆が納得したことにも頷ける。
そして、440ヘルツがAと表記されているという事実。
現代のA(a)という文字は、古代ギシリア文字のアルファ(A/α)が基盤となっている。
ピュタゴラスは当然古代ギシリア語を使い、研究を行っている。
古代ギシリア語は、のちにラテン語、ギシリア語などの基礎として用いられ、更に時代が進むと、ラテン語は英語の基礎にもなっていく。
Aはアルファベットの順番としては始まりの文字であり、古代ギシリア文字のAから始まるギシリア神話に登場する神には、音楽や芸術の神とするアポローンと、出産の守護神とされるアルテミスが存在している。
推理から導きだされる推論
ピュタゴラスが産声として発しインプリンティングされていた440ヘルツを認識し、440ヘルツを基準にピュタゴラス音律を形成し、またその周波数に、始まりを意味し、音・産声の由縁となる神々の頭文字"A"の称号を与えたのかもしれない。
【推論】なぜ産声が発する周波数が全世界共通で440ヘルツ前後(A)であるのか 千菅ちづる @Fhisca
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