20.「人」
寄せ集めの記憶で 人を装う
取り繕った仕草で 人を演じる
装うにはそれくらいで充分だった
いつまでも演じられる自信もあった
なのになぜ? だのにどうして?
人ではないと教えられる
人ではないと諭される
それは 優しい言葉の一つも吐けないからだと
それは 一人で居てばかりでは無理もないのだと
分からなくなった 次に何を言えばいいのかを
知りたくなかった 誰も一人ではないことなど
人なら容易に生きられると思ったのに・・・
人なら難なく死ねると思ったのに・・・
いつしか装うのでなく 生きるようになっていた
いつから演じるのを止め 人になろうとしたのか
優しい言葉の一つでも言えるようにと
誰か一人ではなく 誰とでも居たいからと
自分だけの記憶を紡いでいった「人」は
自分らしい仕草を覚え いつか私となった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます