7.不純物
生きる事と死ぬ事しか考えられなくなったある日 僕は世界から居なくなった
それは誰かにしてみれば 全く予期していなかった事かもしれないが
僕にとってみれば それはあまりに明快すぎて実に単純な事だった
僕が世界から居なくなったのは 僕が不純物と化したからで
つまり僕は 世界に居ようにも居られない身になってしまっていたのである
不純物であれば取り除かれて然るべきで
取り除かれたのであれば それは要らないのであって
そんなこんなで世界から居なくなったこの身の置き場は
生にも死にも囚われない場所――生きる事も死ぬ事も考えなくていい場所
そこしかないというのが実際のところだった
生きるにしても死ぬにしても 僕にはまだ早かったのかもしれない
そう考えざるを得ないと 世界から居なくなる少し前 僕は確かにそう思った
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