ひとみごくう

全てが透ける目を手に入れた。

カーテンの向こう。人の思惑。遠い世界の哀しみ。

美しい者も残酷なものも、等しく眼前に拓く。

すると、心が平らになってきた。

己を揺るがすものに対して、微笑ましい気持ちになってきた。

ああ、これは仏の目だ。僕の心が仏のものになるのも遠くない。

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