恋愛、ということ

中学生の頃から、男女交際に憧れていた。

理由はわからないけれど、とにかく憧れていたのだ。


アニメとかマンガとか、あとは恋愛ドラマ。

そういうのを観て、ああ、いいなあ、と思った。


わたしもこんな素敵な出会いがしたい。

わたしを好きだ、って言ってくれる人がいる。

あなたと一緒に生きていきたい、って言ってくれる人がいる。


そういうのが、とても素晴らしいことだと思えた。



高校生になって、ほんの少し、1ヶ月くらいの間だけ、恋人がいた時期がある。

その人は、すごくやさしい人だった。

エネルギーに満ち溢れていて、人当たりがよく、ユーモアがあり、それから、愛嬌のある振る舞いをしていた。

まさに、わたしには不相応なくらい、素晴らしい人間だったとおもう。


当時の詳細については深く語らないことにする。


結局、過度に互いに気を遣い合う関係に疲れてしまい、交際をやめてしまった。



もしかするとわたしは、恋愛に向いていないのかもしれない。


人生というのは三次関数のようになっていて、関数と横軸の共有点がちょうどモテ期にあたるところなのだ、というようなことを、高校の同期が言っていた。

いったいどんな根拠があってそんなことを言っているのか、今でもわからないけれど、仮にそうだとするならば、そのモテ期が「三重解」になっていないことを願っておく必要がありそうだ。

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