後悔の反芻、ということ
ふとしたときに、昔の苦々しい記憶が蘇ってきて、胸が苦しくなる。
どうしてあんな言動をとったのだろう、とか、あれさえなければ今頃こんなことにはなっていなかったのに、とか、そんな不毛な後悔を繰り返している。
反芻して、なんども、なんども、苦しむ。
思い出すのは、同じことだったり、違うことだったりするけれど、どれもこれも気分のいいものじゃない。
楽しかったこと、嬉しかったことだって、今までの人生で数え切れないほどあったはずなのに、いくつか挙げてみろと言われても、すぐには答えられない。
どういうわけか、そういう嫌な記憶だけは、すぐに挙げられる。
どういうわけか、そういう嫌な記憶だけは、詳細に思い出せる。
昔のことを後悔して延々と苦しむよりも、現状を把握してこれからのことを考える方がずっと建設的だ。
後悔先に立たず。
そんなことはわかっている。
自分の心と体に鞭を打ち、前へ進もう、前へ進もうとする。
けれども、またすぐに、立ち止まってしまう。
ウサギとカメの話じゃないけれど、進んでいれば、いずれゴールにたどり着ける。
少しずつでもいいから、まえにすすもう。
がんばろう。
むかしのわたしだったら、いまのわたしみたいな状況のひとに、そう言っていたに違いない。
いまのわたしには。
そういう苦しみをわかってしまったわたしには。
ほかのひとにそんな残酷なことを言う度胸は、ない。
自分の弱さが、とても恨めしい。
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