第8話 決意

魔導車が洞窟の入り口に到着する。

「さ、到着したよ」

アリスがエンジンを止める。

「アリスの運転はやっぱり荒いな」

途中途中「大丈夫か?」と思いつつも何とか到着でき、一安心する。

「うるさいねぇ。あんたなんて運転できないだろ」

「やろうと思えばできるさ」

「ま、そうだろうね」

何処かあきれたように言うアリス。

「僕が運転しましょうか? 僕もできますよ」

マナブが二人に問いかける。

「いんや、マナブだとのろのろと遅いからね。やっぱり私だよ」

「やっぱり安全運転じゃなかったんじゃないのか」

思わず疑問に思ってしまう。

「うるさいねぇ」

不機嫌な顔をするアリス。



三人で洞窟の中を歩いていく。

「で、どういう相手と戦うんだ?」

気になっていたことをアリスに聞く。

「ブラックソウルナイト一体」

アリスが軽く答える。

「ちょっと待て。それってAランクの魔物じゃないか」

思わず立ち止まり聞いてしまう。

「こんなところで立ち止まらないでよ。そうだよAランクだけど何か問題ある?」

「いや、俺抜きの二人で倒すのは難しいんじゃないのか。国が分隊を組むレベルじゃないか。いくらアリスが強くて、マナブもいるからって厳しいだろ」

立ち止まるのをやめ歩き始める。

「だからあんたに来てもらってるんだよ。両方死にかけた時に助けてほしいからね」

「だから護衛って……そういえば雑魚が待ち構えてるぞ」

アリスに忠告をする。

「わかってるよ」

岩の陰に隠れていた巨大ネズミの魔物がアリスに襲い掛かる。が、

一刀。

アリスが持っていた大剣で一瞬で倒される魔物。

「私は強い。マナブも強い。だから大丈夫。ノガミの手は煩わせないよ。そうだねマナブ?」

「いや、僕はやめた方がいいんじゃないかなぁーって」

「マナブ!」

弱音を吐いたマナブを叱りつけるアリス。

「強くなりたいからって少し無理がある気がするが。マナブが臆病になるのもわかるぞ」

思わずアリスに文句を言ってしまう。

「いや、このために今まで訓練をしてきたんだ。それに訓練だけじゃ駄目だ。実戦もやらないと強くなれない」

そう言って意気込むアリス。

「私はノガミの実力は信じている。絶対に力は借りないつもりだけど、それでも安心できるから、ちょっと付き合って欲しいんだ」

「まぁ、そこまで言うなら……マナブは大丈夫か?」

アリスの意思は確認したのでマナブにも意思を確認する。

「ノガミさんがいれば安心だというのは僕も一緒です。ただ、僕もお力は借りるつもりはありません。僕たちでやります」

以外にも強い口調できっぱりと言うマナブ。

「わかった。行こう。ただ俺も力は貸さない前提で行くぞ」

二人とも譲るつもりはないようなので俺も腹を決める。

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