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絵のページは破り捨てた。
うまく描けない。
何度試してみても、手が思うように動かない。文字以外の線の書き方を忘れてしまったかと思うほどだ。
きっと、あのモーター音のせいに違いない。
ここに来たときから気になっていたあの音に慣れてきた。そう思っていたのに、最近では却って聞こえないと落ち着かないのだ。
二階の奥にあるこの芸術エリアでは、地下のあの閉ざされた扉の向こうから響く音が聞こえにくい。
一度本に集中してしまえば気にならなくなるが、絵を描くときにはそうはいかなかった。
むしゃくしゃする。もうすっかり嫌になってしまった。
気晴らしに、今日はもう十冊は読まなければ気が済まない。
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