少女の願いと希望の手紙
惑星エンディオ。中央ギルド領域のN・B・P・C領域側の小銀
河の内に存在している惑星である。温暖な気候で草木や水に恵まれ
た惑星で、人口は約百万人程度の小さな惑星だ。名産品のエンディ
オトマトやエンディオ葡萄で作られたワインなどが有名である。
そんな平和な惑星でグレートジェントルマン号が着陸できる場所
が無い為、惑星外で待機し小型艇で降下することにした。
小型艇を依頼のあった修道院の側に着陸させて、キジヌとスリー
は船から降り立った。修道院の門に近づくと門前でボール遊びをし
ていた子供達が駆け寄ってきた。
「おっちゃんたち何しに来たのー?」
「僕知ってるよ、この人達マフィアだよマフィア」
「あー、だからそっちのお姉さん傷だらけなんだー」
「うるせー俺の傷はファッションだよ。どうだ?かっけぇだろ」
「かっこよくなーい」
「そうかよ。ところでマリガンて人今居るか?」
「中にいるよーこっちきてー」
そう言うと子供たちは修道院の中へ駆けて行ったのでキジヌとス
リーもついて行くことにした。中は広く長椅子が並んでおり、奥に
は大きな像がたっていた。ぼんやりと眺めていると、奥の方から子
供達にてを引かれて一人のシスターがこちらにやって来た。
「お待たせしてしまい申し訳ございません私が依頼人のマリガンで
す」
「いえ、こちらこそ急かしてしまい申し訳ありません。私はキジヌ
=サルモモールです。」
「俺はスリーだ。どうぞよろしく。」
「立ち話もなんですのでこちらへどうぞ」
マリガンに促されて二人」は奥の方へ進んだ。
「ジミー、ルーチェを呼んできてくれる?」
ジミーと呼ばれた少年がこくりと頷くと、また奥の方へ駆けて行っ
た。
「それで今回の依頼を詳しく聞きたいのですが」
「はい、実は先日うちのルーチェ宛てに手紙が届いたのです」
そう言いながら、マリガンは二人の前にお茶の入ったカップを置き、
言った
「ルーチェがうちに来たのは赤子の時でした。小型艇に一人で乗せ
られてこの惑星に来たのです。しばらくは病院にいたのですが引き
取りてが居なかったのでうちで預かることにしたのです。それ以来
変わったこともなく時が過ぎていったのですが……」
「唐突に手紙がきたと」
「はいそれも彼女の母親からの手紙だったのです。ただ一言、会い
たいと……」
そう言うとマリガンは一口お茶をすすり続けた。
「ですが奇妙な事に差出場所も会う場所も書いてなかったので
す。」
「それで依頼を?」
「どうしても母さんに会いたいんです!」
それはマリガンとは別の方から聞こえてきた。そこには青い肌の少
女が立っていた。
「君がルーチェかい?」
「はいそうです。あたしに出来ることならなんでもします。だから
……」
「しかし手掛かりが一つも無いのは厳しいな。なんでも良いから覚
えていることは無いかい。」
「 最近夢に見るんです。母さんがあたしを抱えて走る夢を」
「夢か……」
これでは情報は無いに等しい。
「手紙をお借りしてもよろしいでしょうか。紙の材質からなにか探
れるかもしれません」
キジヌはそう言うとお茶を一口啜った
「受けてもらえるんですか!?」
「成功するかどうかは分かりませんがやれることはやってみましょ
う。何か掴めるかもしれませんから」
「ありがとうございます!」
「それと報酬ですが全て成功したら全額頂くということで」
「そんな……前金とかは……」
「うまくいくか分かりませんから。そういうわけで我々は一度船に
戻って手紙を解析してみます」
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