第3話 貧乏な滝川君


滝川くんは同じ小学校の同級生で、ゲームが大好きだが家がとても貧乏なためゲーム機もソフトも買ってもらえない家庭だった。

 どの位貧乏かというと、滝川君の親が玄関の入り口のドアを車でぶつけ壊してしまっても、修理するのが勿体無いというので居間の網戸を玄関に差して


1~2年暮らしていた程度である。「冬は寒くないのか?」と聞いたら

「寒いが冬にコタツに入っていれば平気」と言っていた。



時々遊びに行きゲームもしたが、居間にしかテレビが無いため、他の家族に

見守られながら、長時間ゲームをするのはなんとも気まずい。

家族五人、お爺さんお婆さん、おじさん、おばさんの妹に注目されながら、RPGのレベル上げをするのは息苦しいものがある。


滝川くんは家族なので遠慮はしないが、自分は申し訳ない気持ちに

なってしまう。


滝川君宅には不思議な事にツインファミコンがあった。

ソフトも3~4本は持っており。親にゲームを買ってもらえいないのに

なぜ本体やソフトを持っているのか?と本人に聞くと、ほとんどマンガや

雑誌の懸賞で当てたという。なんだかウソ臭いように思ったが、小まめに雑誌の応募用のハガキを集めるのを見ていると、おそらく本当なのだろう。


 

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