第2話 デパートゲーセン


 ゲームへの想いを募らせらせつつも、幼児の自分ではどうしようもない日々が

つづいた。だが小学生位になると新しく街のデパートにナムコ系列のゲームコーナーが誕生した。



数百円の小遣いを握り締め、デパート最上階のゲームコーナーに向かって

エスカレーターを駆け上る。そこには様々なゲーム筐体があり、ゲームを

しなくても観ているだけで大興奮だった。


 その気持ちをさらに煽るように場内を流れるスウィートランドBGM。

「ガチャガチャ」と排出されるメダルの金属音。


なに言ってるかわらなないオウムのゲーム・ジャンケンゲームなどなど

興奮と享楽がそこにあった。


ワイは小学生の頃はハイスコアガールなどでも紹介されていた・源平討魔伝・

妖怪道中記といったゲームをプレイするのが子供の頃の最大の最上の

娯楽であった。


小学生でひと月300円のお小遣いを1プレイ100円のゲームに投入する。


その時の覚悟と興奮は凄まじいものだった。1瞬1秒たりともゲームの感触を感じ取ろうと研ぎ澄し集中する。レバーの感触や、筐体から流れるBGM

全てが恍惚となるほど魅力的だった。


自分が通ってたナムコ系の店で置いてあったのが、ベラボーマン・

メルヘンメイズ・ワルキューレの伝説・ギャラガ88などなど、

なけなしの100円玉を投入しつづけた。


だがまもなくゲームセンターは大きな停滞期に入るかのように思えた。

ゲームセンターのゲームがつまらなくなった、と言えば少し違うが、

以前ほどの魅力を感じれなくなっていた。


他方で家庭用ゲーム機、ファミコンが円熟期を向かえ、

PCエンジンやメガドライブといった高品質なゲーム機が出ると、

質・量ともにアーケードゲームの魅力は相対的に減少していった。


そんな時期、風の噂でメチャクチャ面白いアーケードゲームが登場した

という話を聞いた。「メチャクチャ面白い」当事アーケードゲームに対し

興奮を失いかけていた自分としては話し半分といった気分であった。

だが丁度、街に新しくゲームセンターができたという事もあり、

友達の滝川君と街へ行ってみる事になった。

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