第16話 旦那の賞味期限
「もし、会社復帰せず、娘ちゃんが2か3歳になるまで育休で過ごせたら、そこまでストレスや不満はない?」
「うーん…それは、微妙かも。」
「微妙?」
「保育園が決まった時に私も考えたんだよね。このまま家事と育児だけの方が楽かもって。でもさ、家にずっといるもの苦痛なんだよね。」
「そっかぁ。仕事の時間がない分、家のことに専念できて旦那さんにもイライラしないかと思ったけど。」
「まぁねー。娘はかわいいし、ずっといたいとも思うけど、離れたいなーって正直思うときもあるよ。それに、今、育休でフルに稼ぎがないからか家にいるからか、旦那が“お前はダラダラできていいよなー”とか“今は収入が少ないから少しはがまんしろよ”的な言動してくるんだよね。」
「そうなんだ…それは言われたら傷つくかも。」
「そうだよ。私が好きで育児や家事に時間を作ってるわけでも、働いていないわけでもないのに。旦那に私の代わりに育休どれば?って言って喧嘩になったこともあったよ。」
「それで、旦那さんは何て言った?」
なぜか玲の旦那さんの反応が気になった。
「逆キレ。育休は男女とれても現実は男が育休とれるわけないとか。家事や育児はお前に任せてるとか。本当、信じられない。男が育休取れない現状もむかつくけど、育児・家事イコール妻って決めつけてる旦那にも腹が立つ。」
「なかなか旦那さんに家事や育児をしてもらうのも、手伝ってもらうのも難しそうだね。」
「うん。家にいると旦那の態度が大きくなっていく一方な気がするから、どうせ夫は何もやらないなら、やっぱり会社復帰して旦那をだまらせようって結論に行きついたよ。」
「結婚生活って難しいね。」
「すぐに不満やストレスが露呈する私の性格もあると思うけど、旦那次第かもしれない…。今の旦那には悪いけど、結局旦那はいらないかもってなるよね。」
妻が正社員で勤続年数も長いとそこそそ収入もあり自立し、自尊心も強い分、玲のように旦那に頼る必要がなくなる。
玲の話ばかりで旦那の言い分はわからないが、女性の立場の状況や努力を理解しない玲の旦那は終わっていると思ってしまった。
もし私が玲の立場だったら、旦那としての賞味期限は、玲と結婚したときか、娘が生まれた時だったのかもしれない。
実際に、玲がどうおもっているのか、わからないけど。
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