第15話 夫と妻をつなぐ存在
私は私の生き方がいいのか悪いのか、幸せか不幸かはわからない。
ただ、平日は仕事をして疲れて、帰ってダラダラする。
休みは彼か友達と過ごして、時間があればジムやエステに行ってそこそこ充実している。
特別なことも、こだわりのあることもしていない生活だけど、この生活を変えたいと思ったことがない。
「どういう形が幸せなんだろうね。私、幸せかどうかなんて考えてないかも。それか、玲が経験した幸せを経験していないから、幸せがわかわらないのかな。」
「えぇ。結婚や子どもいなくても幸せを感じることあるよ。」
「そうかな?」
「例えば、彼からプレゼントもらった時とか、おいしい物を食べた時とか。」
「あぁ、それなら。」
物で幸せを感じるのか…。
「そうそう、それ。結婚して旦那の態度見ていると幸せと感じるより、不満。普段ほしいもの我慢したり、家事や育児で大変だから、旦那のプレゼントとか当たり前って思っちゃうことあるよ。」
「そんなもんなんだね。」
家事や育児の労力に対するプレゼント(報酬)は当たり前なんだな…。
確かに、家事や育児は評価もないし対価もないからやりがいがないかも。
「旦那じゃないお金持ちと結婚して、専業主婦になって分業できてたら、家事や育児や旦那に対してこんなネガティブになってなかったかなー。」
「うーん…。どうだろうね。」
「わからなーい。旦那には不満たっぷりだけど、どんな状況でも娘は最高にかわいいと思うんだよね。だから、娘が楽しそうに笑ったり、旦那と仲良くしていると、娘を守るために自分もがんばろうって思える。」
「娘ちゃんがいるから、いろいろ乗り越えられたり、思い留まることができるんだね。」
「そうだよ、娘がいなかったら、引き留めるものがないかも。」
幸せの形は人それぞれ。
日頃から幸せか不幸かを考えて生きている人は少ない。
友人に愚痴を言いたい気持ち、整理したい気持ちはわかる。
日頃のうっぷんを吐露するため、不満の表現が大げさになっているかもしれない。
旦那とともに生きたいと思う気持ちではなく、娘がいるから旦那といるという心情でつながっている関係は悲しい。
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