2章 第7話
「いい加減にしてください!、ヒナガ達が助けに来なかったら、カレンさん達無事じゃなかったんですよ!、なんで化物呼ばわりするんですか」
トウマが言った言葉にアリサはベッドから起き上がり、ヒナガ達の前に立つ。
「じゃ、聞くが、何故、その二人は氷と炎が使える?身体能力がお前達より上で通常の武器でも殺せない敵をなぜ殺せる!!、おかしいとは思わないのか!?」
「あなた達を助けたのはヒナガ達です!化物なら怪我してまでカレンさん達を助けたりしません!」
「くぅ!?」
ヒナガ達が【もう死んでいて、死者だから】とは言えなかった。そうアリサは口を閉じる、自分が戦えたらとヒナガ達と同じ力があればとアリサは思った。
「トウマ、もうヒナガちゃん達をバケモノ呼ばわりは止めて、わたし達が生きてこうしていられるのは分かるでしょ!」
「クゥ!?」
トウマは後ろに向き、外に行こうとすると、「待って!」っとカレンが後ろから声をかける。
「今は一人になりたい」
トウマはそう言葉を残し、部屋から出ていく。
「いつもあんなに取り乱したりはしないの。街に入る前、私達の他に仲間が一緒だったの死者達に襲われる前」
「え、……」
カレン達の他に仲間がいた。それを聞いて、アリサは少しびっくりする。
「あの街に入れば安全だって、仲間のみんな言っていたの、トウマも研究者だから街に入ったら全部調べるって嬉しそうに話していたの、死者が襲うまで」
カレンの仲間は街に入ろと歩きだした、瞬間、どこに潜んでいたのか死者達が仲間を襲う。
必死でカレンの仲間は抵抗したが、死者達に喰われ、次々と犠牲者が増えていった。そして、仲間の家族、子供、大人関係なく、死者達に喰われていく。
「トウマは仲間が死者達に喰われる光景を見て、絶望していた。そして私達は死者から逃げる為に近くにあった。車を見つけて乗り込むと仲間の子供が二人隠れていたわ」
車の後ろの隅(すみ)っこで二人は脚を抱えて震えて泣いていた、トウマは車の操作、カレンは後ろの座席に座り子供二人を抱き寄せて守った。
二人は後悔と悲しみが溢れる。仲間を置いて車を発進させる。まだ死者達に襲われてない人がいる。その人達を助けたい。しかし二人で行っても死者に殺される。
「私達は車で街に入ったけど、バリケードの前に死者達が待っていたの、トウマは無理矢理に突破したから車は故障。トウマは武器で死者達に抵抗したけど、私はこのまま死者に喰われると覚悟したわ」
だが、その時だった。死者達が突然氷漬けに、紅蓮(ぐれん)の炎(ほのお)で焼かれていく死者達、その死者の前に現れた。幼い美しい二人の少女だった。
「「わたしたち?」」
「ええ、そして今、あなた達のお陰でこうして生きている。ありがとう、ヒナガちゃん、アスガちゃん」
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