2章 第6話

「「アリサ先輩起きた?」」


ヒナガとアスガがアリサの瞳を覗き込む、アリサは先程見た夢は一体?っと少し混乱したが、アスガはアリサ先輩の手を握る。


「アリサ先輩大丈夫?、もしかして、ミツルの説教疲れた?」

「大丈夫、ごめんね。少し不思議な夢を見て混乱しちゃった、ここ医務室?」

「気がついたんだねアリサちゃん」


アリサに声を掛けたのは【リン】だった。ヒナガ達が家に帰って来ないのが心配していたらしい。ミツルに注意した後、アリサはベアグールと外から来たカレン達が怪我していたので一度【医務室】に運ぼうとヒナガとアスガが提案した。


「その後アリサ先輩。急に倒れて、ミツルがアリサ先輩抱えて、医務室まで運んだ」

「アリサ、お姫様抱っこされていたんだよ♪」


ヒナガが言った後、リンはミツルにお姫様抱っこされたとアリサに伝えると、赤面する。


「え、わたしミツル先輩にお、おお姫様抱っこされて運ばれて……いたんだ」


少し、落ち込んだ表情するアリサを見た。ヒナガ達はベッドに寝ていたアリサをヒナガが抱っこした。


「ヒナガ!?」

「アリサ先輩。お姫様抱っこ、嬉しい?」


アリサは自分が落ち込んでいる顔を見て小さい身体のヒナガがアリサを抱っこしている姿は少し可笑しかったのか。アリサは笑う。


「どうしたのアリサ先輩?」

「あはは!、うんうん♪なんでもない。ありがとう、ヒナガ」


アリサはヒナガにお礼言うと、ヒナガは少し嬉しそう?な感じが伝わってきた。するとカレンともう一人の男性が部屋の中に入る。


「アリサさん少し話したい……」


カレンは不思議な光景を見る。幼い少女がアリサを抱っこしている。一体どういう状況なのか理解できなかった。カレンは思考を停止する。


「違うの!?これはわたしが落ち込んでいたからヒナガがわたしをお姫様抱っこして。元気にしようと……」

「君達がヒナガとアスガか?」


アリサの言葉を遮ったのはカレンの隣に立っていた。少しカレンよりも大人の男性だった。眼鏡メガネをかけ、白衣のコートをまとっていた。


「ごめんなさい。彼はトウマ。この街がなんで死者達が攻めてこず、食べ物や水が現れるのかについて調べている。研究者なの」


トウマと言う男性の自己紹介と職業は研究者と聞いて、アリサは少し驚く。自分達の他に街を調べている、人がいることに。


「怪我は大丈夫ですか、カレンさんトウマさん」

「はい、腕にかすり傷があるだけで、子供達も怪我が無くて良かったです。リンさん、子供達を診ていただいて。ありがとうございます」


カレンとトウマ以外に車の中に二人の子供もいたと、ヒナガとアスガは思いだした。リンは医務室では【看護師かんごし】であり【医師いし】もしていると、ミツルから聞いたことがあった。


「それで君達はその【アルドノア】《異能力》は一体、何処で会得したんだ、そして【付加ブレンド】と!!」


トウマは怒りを露わにし怒りながらヒナガとアスガに詰め寄る。【アルドノア】、【ブレンド】、と言われて。訳がわからなかった。


「トウマ!?、幼い子達に怒鳴るなんて、びっくりするでしょう!!」

「カレンは黙っていろ。人間離れした綺麗な容姿に、さっきの化物を倒す時に使った氷と炎の力を、見て思ったね!この二人もあの死者と同じ化物だって事が!!」


トウマがヒナガ達に向かって化物呼ばわれた事に対して、ヒナガとアスガは落ち着いていた。

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