1章 第6話

早く、早くコイツらを倒さなければ、このままだと街の皆が。

2人は身体中に傷があちこちにできていた。今、目の前の敵は普段の死者と違って強さがあった。2人かかりで倒せるかも怪しかった。2人が苦戦している間、別の方角から別の死者が現れていてこの街に迫っている。早く倒さなければと焦る一方敵は徐々に2人は敵の攻撃を受けてしまう。周りにいる敵は簡単に倒せるがその指揮をつとめている奴が一方的に2人にダメージを与えてくる。


「もう諦めろ、貴様らに勝ち目などはない、おとなしく受け入れるのだ、この街が平和が崩れ去る時を」


2人は揃えてふざけるなと叫ぶ、この街を、大切な家族をお前らみたいな連中に壊されてたまるか。2人はふらふらになりながらも目の前の敵に立ち向かう。


「無駄な事を、こうしている間、別の方角からも我の部下がこの街に攻めてきている、もうじきこの街が崩壊するのも時間の問題だ」


本当にここで終わるのだろうか。アリサ先輩の言っていた事を思い出す。もし、2人だけではどうしようもなくなった場合はどうするのと、2人は後悔している、あの時アリサ先輩の話に賛成すれば良かったと。だが、2人はそれを止めた。あの不思議な部屋は強力な武器を自分達でカスタマイズして作ることが出来る。そして、その武器は目の前の敵をなぎ倒すぐらいの威力はあるだろう。しかし、その分、危険があるはずだ、ましてや初めて使う人があんな高度の高い武器を扱えるかが問題だ。下手に使うと怪我をするどころじゃあない。だから、アリサ先輩の提案を止めたのは正しいと思っている。本当にそれで良かったのだろうか。


「分からんな」

「「?」」

「お前達はまるで戦い方が慣れていない、攻撃が単純過ぎる。銀色の炎や氷をまといながら近づいて攻撃するか遠くから攻撃を放つぐらいしかやっていない、それしか出来ないような素人そのものだ」黒い影がそう言い放つ。


2人は押し黙る。その通りだ。2人は全くと言っても良いほど自分達の力を理解していない。そんな2人が出来るのは敵を近づき攻撃をするか自分の力を固めて攻撃を放つ事しか出来ない。


「まともに力を使えん貴様らが街を守るだと。笑わせてくれる、そもそも貴様らにこの街にいる者を守る意味があるのか」

「どういう意味」

ヒナガが言う。

「この街の人達を守るのは当たり前よ」

とアスガが言う。

「ふん、どうやらこの街の住む者達を理解していないようだな、なら教えてやる、この街に住む者達は、!」


黒い影が何か言う前に先程いた場所から離れる。すると何かが飛んでくる。

今のは一体?2人は後ろを振り向くとそこにはアリサ先輩とミツルさんがいた。どうして2人がここに、それに手に持っているのはまさか、ミツルさんがこちらを見て申し訳無さそうな顔をしている。言いたい事はあるけどひとまず助かったと伝える。


「約束を破ったのは謝るが今は目の前の敵を倒そう」

「安心しなさい、他の化物達は仲間が倒してくれたわ、あとはこいつだけね」


ありがとうと2人はお礼を言う。


「······所詮人数が増えたところで変わらんが、今日は引いてやる」


黒い影は、徐々に消えていく。2人は聞きたい事があるので言う。


「あなたはこの街に人達について何か知っているの?」

「知っているのなら教えて頂戴」

「自分達で見つけ出せ」


それだけいうと完全に消えた。2人はふう、っと息を吐き落ち着く。あのまま戦っていたら間違いなく負けていただろう。敵が私達を見逃してくれたのは正直ありがたい。2人はアリサ先輩とミツルさんに振り向きお話しましょうと言う。別に怒ってる訳ではない、ただアリサ先輩とミツルさんが黙って勝手な事をやっていたのが悲しかった。なぜ、言ってくれなかったのか。ミツルさんが口を開く前にアリサ先輩が話す。


「ごめんなさい。あなた達をだましていた訳じゃ」

「アリサ先輩、私達は約束を破った事に怒っている訳ではないです。むしろ悲しかっただけ」


アリサ先輩達はヒナガ達と使わない約束をしていたのに約束を破ってしまった。その事について二人は怒ることは無かったが、アリサとミツルは約束を破った事を後悔する。自分達がやっている罪がどれだけ重く、破ってはいけないことが。


「アリサは悪くない、僕が約束を破らしたんだ」

「ミツル先輩は悪くない!私が約束を」


アリサ先輩とミツルさん二人は自分のせいだと言い争う。するとアスガが

二人の言い争いを止める。


「ミツルさんアリサ先輩、もういい加減にして下さい。約束を破ったのならそれなりのそれで私達は約束を破った事を無しにします」


アスガがそう言うと、二人は言い争うのを止め、そのアスガが言った罰を受ける事にした。二人はその罰の内容を聞く。



   ◆◆◆


ヒナガ達の家 食堂




「う~くぅ!?」

「あー!!」



ミツルとアリサは言葉にならない程の叫び声をあげていた。二人は今ヒナガ達が作ったカレーを食べていた。しかしその料理はいや料理と言える物では無かった。そのカレーは辛い食べ物であるがヒナガ達は辛い物が好きであり、カレーを作る時は辛さを通常のより10倍の辛さで作っていた。


そのカレーを二人は食べていた。約束を破った罰として。


「ミツルさんアリサ先輩、カレーのお代わりたくさん有りますので、残さず食べて下さいね」

「そんな!?」

ミツルはカレーと言うなの悪魔的な料理をまだ食べないといけないのかと、顔を青ざめる。


「ヒナガ、アスガ、そろそろお腹いっぱいに」


アリサはあまりの辛さにもう気絶しかけていた。人が食べる物ではないと胃が叫んでいると思うくらいに、するとヒナガがアリサに伝える。


「アリサ先輩、残さず、全部食べて下さいね♪」

「ヒ~ナ~ガ~!ア~ス~ガ~!」


アリサは涙を流しながら、二人の名前を呼ぶが、その後、カレーが無くなるまでミツルとアリサは激辛を涙を流しながら食べる。


その後、街に住んでいる人達はヒナガとアスガの約束を破ると悪魔の料理を喰わせると言う。噂が広まり、恐れる住人達であった。

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