1章 第5話

少し時間が巻き戻る。2人と別れたミツルとアリサは家の帰り道に歩きながら話し合っていた。


「本当によかったんだなアリサ」

「······その事なんだけど明日の朝、付き合ってくれないかしら」

「?、別に構わないが」

「ありがとう、じゃあ、さっさと帰って寝ますとしますか」

「そうだな、所でどうして僕の家についてくるんだ」

「別に良いでしょ、明日起きたらすぐに2人でやることをするんだから」


一体何をしようとするのか検討もつかないミツルはそのままアリサを連れて家に入る。そのあと先にお風呂を入りあがった後軽めの食事を食べて少し経った後ベットにミツルは入る。アリサには布団を用意してそこで眠りにつく。ミツルが眠った後アリサはポツリと呟く。


「2人には悪いけど約束を破らせてもらうわ」


それだけ言うと目を閉じる。


次の朝、2人は目を覚ます。布団から起き上がり手荒い場で顔を洗う。眠気が残っていたが水の冷たさでぱっちりと目が覚める。キッチンではリンさんが朝食を作っていた。2人はリンさんに近づき挨拶をする。


「おはようございます、リンさん」

「リンさん、私達も何か手伝いましょうか」

「2人ともおはよう、もうじき出来るから2人は子供達を起こして頂戴」


2人はリンさんに言われた通りに子供達を起こす。まだ、眠そうな顔をしておはようと返す子供達は私達がいることに気づくと5人一斉に抱きついてきた。


「ヒナガお姉ちゃんとアスガお姉ちゃん!」

「帰っていたの!」

「昨日帰りが遅かったよ!」

「心配してたんだよ!」

「寂しかったよ!」


子供達から心配してたと言う声が上がる。2人はごめんねと誤り、ご飯だよと伝えて一緒にテーブルの部屋まで移動して椅子に座る。リンさんもエプロンを脱ぎ椅子に座って声をかける。


「はい、じゃあ、頂きますをしましょう、頂きます」

「「「「「「「頂きます!」」」」」」」


子供達と同じにあわせて2人も頂きますを言う。言い終えたあとはリンさんが作った料理を食べていく。うん、やはりリンさんが作る物はどれも美味しい。子供達も美味しいと言いながらパクパクと食べていく。そんなに慌てて食べたら喉につまるよと注意する。しかし、その1人が喉をつまらしていた。ほら、言ったそばから、リンさんがすぐに水を用意して喉をつまらしている子に飲ませる。子供は水を飲んでつまった物を流し込んだあとは注意した通りにゆっくりと食べた。


食べ終わったあとは食器を洗おうとしたがリンさんから自分に任せて2人は子供達と遊んでて欲しいと言われたので2人は子供達と一緒に遊ぶことにした。さて、何をして遊ぶかを聞いてみる。


「トランプ!」

「かくれんぼ!」

「尻取り!」

「絵本読んで!」

「お医者さんごっこ!」


見事にバラバラに別れている。今日はミツルさんやアリサ先輩に用事はないから順番づつやれば問題ないか。やる前にじゃんけんで勝った方からすることに決める。どうやら、尻取りを言った子が一番のようだ。じゃあ、始めるとしよう。


一方、アリサとミツルは何人かを呼び出しある場所まで連れていく。ついてきてくれたのは自分とミツル先輩をあわせて残りは4人合計で6人が揃っている。自分とミツル先輩はこれから何をするのか既に知っているが残り4人は全く知らないままついてきた。一応化物と戦う為に必要だとは言われている。しかし、肝心な戦うための物をどうするかまでは聞いていない。


「私とミツル先輩も入って合計6人か、少ない気もするけどあまり多すぎるのも良くないからこれで十分ね、じゃあ、まずはあなた達には自己紹介から始めるわ!初めての人もいるから私から言うわ、私はアリサよ今日からあなた達を指導するからそのつもりでいてね」

「僕の事は知っているだろうが言っておこう、僕はミツルだ、よろしく頼む」


アリサとミツル先輩が言い終わったあと集まってくれた人の紹介が始まる。右からラン、レイ、ナナ、アスナと自己紹介し終わったあとアスナが口を開く。


「あの、私達ってこれから何をするんでしょうか」

「ごめんなさいね、詳しい説明もなしについてきてもらって。あなた達を呼んだのはこれから化物が現れた時に戦う為に一通り練習をさせたいからよ」


4人はまだアリサの言葉に理解していない。戦うことはわかっているが練習をしただけではあの化物を倒すことは出来ない。なら、一体どうやってとレイが質問する。


「そうね、まずはこの中に入って見ましょうか」

「アリサ」

「何」

「本当にあの2人には黙っておいて良いのか」

「ええ、悪いとは思っているけど、やっぱり2人だけにまかせられないわ」


ミツルはそれ以上口を挟まない事にした。もし、2人にバレたときはちゃんと謝罪しよう。アリサは良いかしらと言いミツルが頷き終わったあと中に入っていく。残りの4人もアリサに続き入っていく。4人が入ったあとの感想は様々だった。やはり、ここは不思議な場所だ。アリサは入ってきた4人に説明をする。まずは武器の作り方、そして、作り終わったあと、実際に作った武器で練習を行う。と順番づつこなしていく。ここの空間は結構広いので問題なく練習として使える。


「ミツル先輩は武器は作ったの?」

「ああ、と言っても僕はこれだが」


ミツル先輩が手に持っていたのは一見刀に見えるが異様な雰囲気を放っていた。


「何でそれにしたの?わざわざ近づいて切るより遠くから撃って倒した方が安全なのに」

「何でだろうな、しかし、これの方が私にあっていると思ってな、それに、あの子も一番扱いにくい物を使っているみたいだが」


ミツル先輩が振り向いた方向に私も振り向くとそこには弓と矢を持っている者がいた。彼女は確かアスナ、どうして、アスナはあれに選んだのか。しかも、完全に的から外しているし。私は彼女に近づき話しかける。


「ねえ、あんたは何で扱いにくい物を使っているの?」

「アリサさん、これって結構難しいけど、弓って結構かっこいいと思いません?」

「かっこいいとかの問題じゃあない気もするけどまあ、良いわ、出来る限りそれを物としなさい」

「はい!」


さてと、次はナナの方に振り向く。ナナは手にマシンガンを持っていて、次々と的を撃ち抜いていく。ナナの方は順調のようだ。次はレイの番だ。レイはムチを持っている、いやいやムチってそれで化物を倒せるのかしら。


「アリサさん、何か気になることでもありましたか?」

「あんたは何でムチを選んだのか聞いても良いかしら」

「ムチっていってもこれって機械でできているので当たると痛くありませんか、ほら、刃先とかついていますし、多分大丈夫です」


それで良いなら別に構わないと言って最後の方に振り向く、ランは槍を構えて振り回していた。もう何も言うことはない、彼女も好きであれを選んだのだろう。よくよくあの槍を見てみると刃先が開いたり閉じたりしている。開いたときはそこから電圧が流れる仕組みのようだ。化物を倒すには良いと思うが出来るだけ近づけなければいけないのが問題だが文句を言ってもしょうがない。彼女達には今後役にたってもな分ければ。自分も、出来る限りの特訓をする。ライフルをもって鉄の塊に撃ち込む。チュドン!と言う音が空間に響く。あ、皆に耳を塞いで貰うの言い忘れていた。だいぶ音は低くなったけどまだうるさいわね、あともう少し改善が必要ね。



それと同時に黒い影がこの街に迫りつつあった。


「さあ、平和ボケしたやつらに絶望を」

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