第7話
それまで我慢できないと判断したのでしょう。
そこまで考えたところで、北畑女史に対する興味を完全になくしてしまった私は、そのままテレビを見ていました。
が、ふとあることが脳裏を横切りました。
なにか前にもあったような。
そしてこれから再びあれが起こるような。
私の期待、いや不安は的中しました。
いつまで経っても女史がトイレから出てこないのです。
私はあえてそのまま待ちました。
そして彼女がトイレに入ってから一時間が過ぎようとした頃、ようやく部屋を出て足早にトイレに向かいました。
見てみるとやはり同じでした。
前回のようにトイレの個室のドアが少しだけ開いています。
形ばかりのノックをしましたが、何の返答も返ってきません。
そしてドアを開けると、軽い異臭の漂うそこには、誰の姿もなかったのです。
今回は当然のことながら、このあたりでけっこうな騒ぎになりました。
近所の人は勿論ですが、特に彼女の夫と息子と娘が、まるでこの時を長年待っていたかのように騒ぎ立てたのです。
考えてみれば、と言うより考えなくてもそうでしょう。
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