第2話

お年寄りがゲートボールでもしようか、というわけにもいかないのです。


子供はいない、お年よりは使いづらい。


そんな公園に人がいるということは、それが老若男女誰であったとしても、とても珍しいことなのです。


そして公園はアパートから細い道を隔てたところにあるのですが、その道沿いに公衆トイレがぽつんとあります。


それが私の部屋の窓からよく見えるのです。


それで話はここからが本題です。


その日私はテレビを見ていました。


その日と言うよりも、私は週に二回しかない授業がない時には、いつもテレビを見ているのですが。


お出かけしたら、なにかとお金がかかりますし。


とくにこれといった趣味は持っていませんし。


テレビは私の部屋にある大きめの窓の横に、壁を背にして設置してあります。


そしてその窓から公園のトイレが見えるのです。


遠近法を無視するならば、テレビの横にトイレがあるような状態です。


ですからテレビを見ていれば、嫌でもトイレが視界に入ってくるのです。


話を戻しますと、その日、公園とアパートの間にある細道を、若い女性が歩いて来るのが見えました。


子供も珍しいですが、このあたりでは若い女性も絶滅危惧種なみに貴重な存在です。

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