Episode1-2 小此木百合の日常(2)
私と結芽は幸いなことに同じクラスになった。二年生は多くのイベントが待ち構えている。だからこそ結芽がいないと不安だし、結芽がクラスの中心になっちゃわないかという不安も募る。結芽がくれた言葉、温もり、時間、そして今日くれた簪。全部が今の私に繋がっているように思える。始業式が終わると空は今朝よりも曇っており、気温がそこまで上がっていなかった。冷えるねなんて言いながら手を繋ぐ。直に触れる温もりが春休みの交わりを否応が無く思い出させた。好きで好きでどうしようもなく膨れ上がった私の言ってしまえば醜い感情すら結芽は受け入れてくれた。私は彼女と交わってやっと人間になれた気がするのだ。空虚だった私を、彼女の愛が満たしてくれる。私はそれを事実だと思って疑わなかった。
「結芽……まだ時間も早いし、その……シたいな、なんて」
「いいよ。わたしも寂しかったから。おばあちゃんは入院してるしお母さんも仕事が忙しいから。あ。お昼食べてから行こ?」
「私が作ろうか?」
「ううん。今日は外で済ませちゃおう?」
早い方がいいんだろうと私も納得して、駅にほど近いファミレスに入る。四人がけの席に二人隣同士に座って食事を取る。そのファミレスは駅に隣接していて、そのまま帰る日もあったが、最近では学校にほど近い結芽の家へと向かう。大きな平屋で古いけれど嫌な感じはしない。艶のある美しい黒髪の結芽は、この和風の空間に映えていた。玄関で靴を脱ぎ、長い廊下を進んで彼女の部屋に入ると、彼女は制服を手早く脱いだ。そうして下着にブラウスという艶めかしい姿になると、脱いだ制服を丁寧にハンガーにかけた。それからこちらを向くと、あとは好きにしてとでも言うかのように微笑んだ。
「簪は外しておこうか。危ないし」
簪を外すと、結芽の髪がふわりと広がった。白いブラウスと黒い髪が美しく、また凜々しかった。けれど彼女は私にそのほっそりとした指を突き立てるよりも、無理矢理にでも攻め立てられることを好んだ。でも制服に皺がつくのは嫌だと、着たまま例えば学校で交わるなんてことは嫌った。そんな結芽が、生身の人間らしくて好きだった。
私は貴婦人に奉仕するような心持ちで結芽のブラウスのボタンを外す。その豊かな胸を収める黒みがかった紫色の下着を目にする。結芽の放つ色香に頭がくらくらする。ブラジャーの上からでも柔らかさの分かるその胸を揉みしだく。私だったら痛くて嫌だけど、結芽は痛くされるのが好きだと言った。だから結芽の望むままに、私は痛みを与える。濡れる前の秘所に指を突き立て、ブラを外すと花蕾に歯を立てる。最初はひたすら痛めつけて、防御反応のように愛液が溢れたら一緒に気持ちよくなろうと肌を重ねる。私が結芽で結芽が私で、そんな融け合うような感覚が、私を最も満たしてくれる。深い絶頂と心地良い疲労に、私は意識を手放してしまった。
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