第2話 帰宅部は部活なのか

「ねえねえ、今日一緒に帰らない?」


全ての授業が終わり、遊ぶだけとなった放課後スクールカースト上位である香恋様から直々のお誘いがきた

別に断る理由もないので反射的に言葉を返す


「うん、いいけど」


「やった!さあ行こ!」


自然な形で手を握られ引っ張られる


「ちょ、もう行くの!?」


抵抗せず大人しく付いて行く

少し歩くと

いくらか余裕が出来て手に意識が集中する

人生で初めて女の子と手を繋いだがしなやかで柔らかい

とゆうかめちゃ自然に手繋いだな、さすがリア充レベルが違う

俺もリア充二、三匹倒すとレベルが上がるのかしら


「で、どこに行くとか決まってるの?」


「そうね、スタバなんてどう?」


「うん、そこで」


「了解だよ」


行き交う人の中を少し香恋さんに引っ張られる形で歩き続ける

取り敢えず、気になってることを振ってみた


「えっと、香恋さんどうして昨日と性格違ってるの?」


少し緊張気味に聞いてみる


「う〜ん秘密!」

可愛らしくウインクして口に人差し指を立てる


「いつかあなたが私を好きになった時に教えてあげる」


「え〜気になるなぁ」


「なんなら今ここで告白してくれて

も良いよ」


小悪魔みたいに僕に笑いかける


「流石にそれは恥ずかしいな」


それからしばらくたわいのない会話をしながら歩いた

飲み物を注文し、二人席に座ってしばらくしゃべり続けた

あっという間に時間が過ぎて行く


「お、忍くんと香恋じゃん!」


「あ、水菜じゃん!偶然!」


小野寺 水菜さんだ香恋と同じくリア充である

悪意などと言う概念は持ち合わせておらず、人を信じ疑わず優しい

アホの子である


「なに、2人で楽しくデート中なの?」


「いや、そう言うわけじゃ無いかな」


「ひどい!、あんなに楽しかった時間は嘘だったの!」


「変な言い方しないで!」


「忍くん、最低!」


「違うってばこれは香恋さんがふざけてるだけ!」


「そうなの香恋?」


「そうだよ」


笑いをこらえながら答える


「もー、また香恋が私を騙した〜!」


そう言いながら香恋の近くに寄って行きポカポカとかと肩を叩いた


「ごめんごめん!水菜すぐ信じちゃうから可愛くてつい」


「も〜許さないですよ!」


プイッと顔を横に向けてしまう


「ごめんごめん、もうしないからさ」


「なら仕方ないですね、今回は許します」


「ありがと水菜!大好き!」


「私もです!」


「なにこれ、尊い」


観てるだけで体が天の国にでも行ってしまいそうである


「ところで水菜部活はどうしたの」


水菜さんの所属しているバレー部は全国に行く程の力を持っておりそれれに比例してなかなか練習量が多く休みがないはずだ


「いや〜ね、コーチがたまたま用事できて、試合も終わったばっかりだったから運良く休みになったんだよ2人は部活は?」


「私はサボったから休みかな」


と堂々と宣言する香恋さん


「俺は帰宅部だから部活中かな」


と寒いことを平然と言ってのける俺!

そこに痺れる!あこがあれ...


「二人ともまじめにやりなよー」

「特に忍くんはまずどこかの部活に入りなさい!」


「流石にばれたか」


「余裕でバレるよ!?」


「なん…だと…」


「逆になんでそんな自信を持てるの?」


はぁっとため息をつかれる


「何か気になる部活とかないの?」


「う〜ん」


「バスケ部とかどう?」


香恋が名案とばかりに聞いてくる


「それはちょっとな」


わざとだろうか、俺にあのリア充しかいないアレには入れと!?


自殺行為である


「軽音部とか?」


「う〜ん、興味はあるけどな」


何でもかんでもアニメの影響受けけちゃうの俺だけ?

この流れで行くと、自転車競技部とか卓球部とか来そうだな

でも不思議と剣道部の人はあまり観ないな


「まあとりあえず少し考えてみるよ」


「そっか、ならバレー部を推薦するよ!」


「う〜ん、それはないかな」


「なら、私に奉仕する奉仕部とかどう?」


「それも難易度高いな」


人生なにが正解かなんてそう簡単に分からない物らしい























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