第3話 脱ブロンズ!!
この話は俺が元プロプレイヤーとである前の話である。
「クソ!! ブロンズ4からブロンズ5に降格してしまった!! これじゃあ、マンブーやduoブースト、買いアカ連中に理不尽なことを言われる!!」
ブロンズ4から、最低ランクのブロンズ5に落ちてしまった話をさせていただく。
「あのパンテ〇ン強すぎだろ!! 20キルも持ってるし、やり投げマジおかしいだろ!!」
ブロンズの俺はなぜかフィ〇ラというチャンピオンにはまってしまっていた。フィ〇ラとパンテ〇ンの組み合わせは最悪で、フィ〇ラにとってパンテ〇ンは天敵だった。
「これは情報収集しかない!!」
俺はダイヤの人に質問した。
「イグナイト持ったパンテ〇ンはレーン最強だからね。俺がフィ〇ラ使っても勝てない可能性があるな。」
「マジっすか………」
正直、絶望を覚えていた。あんなめちゃくちゃ強いチャンピオンをどうすればいいのか、そして、シルバー連中からは暴言の嵐だ。シルバーの人間もたいして俺と変わらない。下手したら俺よりも弱いくせに、などと思いつつもその後で冷静になって考えた。
「パンテ〇ンをバンするしかない!!」
俺はランクでチャットした。
「パンテ〇ンをバンしてください!!」
この頃のバンシステムはちょっと違っていた。因みに、バンとは相手のチャンピオンを選べなくするシステムだ。チャンピオン選択前に、相手のチャンピオンを禁止にすることができる。詰まり、相手はパンテ〇ンが使えなくなるのだ。
「必ず20キル取ります!! 俺を信じてください!!」
俺はいつも背水の陣であった。もし、負ければ暴言とレポートの嵐だ。だが、このレート帯はそううまくはいかない。
「は? ブロンズ5のお前を信じれるかよ!!」
「20キルwww」
「フィ〇ラをバンしてやるぜぇwww」
なんてことだ。メインチャンプのフィオラがバンされてしまったのだ。『どうなってんだこのJP鯖のブロンズ帯に存在するシルバー連中は!!』俺はパンテ〇ンのことを徹底的に調べ上げた。パンテ〇ンはこの時、クレ〇ドに勝てなかったらしい。相手がパンテ〇ンを選んだとき、俺は初めて使うクレ〇ドを選んだのだ。そして、こうチャットした。
「シルバーの君がどうしてブロンズ5のレート帯にいるの? お前さっきフィ〇ラバンしたよな? この試合俺が勝ったらお前レポな?」
なぜシルバーのプレイヤーがブロンズ5のレート帯にいて、いまだにシルバーでいられるのか、実は、シルバー5からブロンズ1には20回負けても降格しないのである。ビックリマークが出て、『そろそろブロンズに落ちますよ。』と丁寧に表示してくれるのだ。これを通称『おにぎり』と言う人もいる。
よくわかんないままクレ〇ドを使うことになった俺だったが、あの最強と言われるパンテ〇ンが嘘のように劣勢だったのだ。
「こ、これがカウンターなのか!!?」
カウンターとはチャンピオン同士の相性で、カウンターチャンプには絶対に勝てないことを意味する。だが、Lo〇は5vs5だ。ブロンズのレート帯は必ずお互いに20キル持ったチャンピオンが存在する俺のチームで20キル持っているのはブロンズ5の俺だ。相手の20キルはア〇リをぼこぼこにしたゼ〇だった。
「勝てる!! 相手がアサシンなら俺のチャンピオンはタンク!! 負けるはずがない!!」
因みに、そのア〇リはシルバー5でフィオラをバンしたプレイヤーだ。これに対してゼ〇はブロンズ3だ。
「こいつシルバーで態度でかい割にはブロンズ3相手に20キルも落としたのかよ!!」
余りにも苛立ったのでチャットしてレポートコメも残してやった。ゲームは25分を経過したが、一向に集団戦を迎えることができない。ブロンズのレート帯はマップを好き勝手に動き回る。そして、アナウンスが鳴る。
「シャットダウン!!」
アサシンチャンプのゼ〇が暗殺ばかりして、俺のクレ〇ドはちゃんとタワーを守っているだけ、『こいつら何を考えてLo〇やってんだ!?』俺は苛立った。苛立って苛立って気が狂いそうになっていた。狂っていたのかもしれない。だが、冷静になった。冷静だったのかもわからないが、これだけはわかる。
「まだ勝てる!!」
ブロンズ帯にチームはできない。スプリットプッシュしても味方が理解しているはずがない。決断するなら今しかない。
「all mid」
俺は全プレイヤーをど真ん中に集めた。当然、すぐには来てくれなかった。
「俺を信じろ!!」
「midに来てくれ!!」
「必ず勝てるから!!」
そういうとブロンズの味方がみんな集まってきてくれた。だが、シルバー5のア〇リだけが来てくれなかった。
「流石昭〇の頭固い連中はバブルを崩壊させるだけあるぜ。勿論、昭〇の人間にも20年間怒らず我慢して仕事してくれる有能な人材もいるがな。」
集まったのは俺を含めて4人だけだ。だが、十分だ。
「みんな安心してくれ!! あのシルバー5は20デスもして戦力にならない。俺達だけでも勝てる!! 正面から行くぞ!!」
俺は味方を鼓舞して不安を取り除き、最終決戦へと向かった。人数は少ない。だが、俺のクレ〇ドは育っている。相手の大将はゼ〇。大将さえ落とせば勝ちだ。俺は相手のゼドをマークしてアルティメットスキル(uit)を発動した。クレ〇ドのultはグローバルルートと言われていて、マップを高速で移動することができる。しかも、クレ〇ドが通ったルートは味方も高速で動くことができる。兵は神速を尊ぶとあるが、ついてきてくれた味方は皆何の迷いもなくついてきてくれた。相手は成す術もなく一掃され、大将のゼ〇だけが残ってしまった。
「悪いな。大将戦したかったぜ。ゼ〇!!」
ゼ〇は対象だが、味方がやられるのを見ていただけだった。見殺しにしたのではない。入り込めなかったのだ。俺がゼ〇をマークしながら集団戦を行ったため、ゼ〇は見ていることしかできなかったのだ。その時俺は思ったことがある。それは、ブロンズレート帯を抜ける方法だ。
『知らなかった。ブロンズ帯は20キル持てば言うことを聞いてくれる。そして、midに集まってくれる』
これが俺の脱ブロンズ方法だった。俺はこの日を境に連戦連勝を重ねた。当然、5回に一回は負けた。相手のbotが育った時、botレーンは2vs2なので、大将が二人もいる。こうなると数の差で勝てなくなる。そして、魔境も存在した。それはシルバー5~3が味方に来た時だ。勿論、銀2も1もトロールばかりだった。
「クソ!! 味方がシルバーだ!!」
MMRというものが上がると、魔境の味方が上で胡坐書いてやがる為、大きなハンデを背負うことになる。上司がクズだと部下が苦しむとはこのことだ。政治も乱れれば碌なことがないように、税金というものを始めてしまった時点で、政治崩壊の始まりなのだ。だが、それでも国民は立たねばならない。俺はブロンズ1と2を何度も行ったり来たりした。ゴールドと1vs1してからは上のレートに敬意はない。あるのは下克上、それだけだ。
「シルバー5の俺がduoしてやるぜ」
「あ、いいです。ソロでランクしたいので………」
そして、俺は、ついにシルバー5になることができたのだ。
「やった~!! ブロンズ卒業だぁ!!」
いつもは冷静に物事を考えて先をいつも見ているが、この時だけは感情が嬉しさでいっぱいだった。シルバー帯にはトロールがたくさんいる。そのことをすっかり忘れていたのだ。ゴールドも同じである。ブロンズ4に喧嘩売られて、1vs1で負けてしまうゴールド、俺は大空へと羽ばたいたつもりだったが、そこはまだ地獄、小人や悪政しか行えない役人が支配する街中だったのだ。だが、俺はブロンズのみんなに言いたい。
「ブロンズからシルバーに上がれたぜ。」
ランクとかを見て判断する人間は多い。女に甘い男の上司も星の数ほどいる。勿論、男にだらしない女も同様に多い。
『俺がシルバーに上がれたのは、話をちゃんと聞いてくれるブロンズの味方が居たからだ。』
そう、最後の昇格戦にも俺と同じようなブロンズプレイヤーがいた。上のランクであるシルバー相手に俺とそいつが20キルを持っていたのだ。俺と同じ大将が同じチームにいる。心強い。ブロンズというレッテルを張られた俺達が、格上に対して、圧倒的な差を付けて上がった。だが、俺はフレを送らなかった。なぜなら、試合中に同じようなプレイをし、同じ場所を攻め、お互いを助け合ったのだ。
『ありがとう。ブロンズの優秀なチーム達、さらば、シルバーのトロールプレイヤー』
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