ヤバイ映像が見れる部屋3p

 彼が窓から部屋の中を覗くと、やはり部屋の中は無人らしい事が確認できた。

 

 次に彼は窓の鍵を確かめる。

 窓の鍵は開いていた。

 彼はニンマリとする。

 彼が今回、この部屋に入ろうと決めた理由がこの部屋の鍵だった。

 仕事の下調べにアパートへ入った時、この部屋の窓の鍵が開いていたのを彼は見逃していなかったのだ。

 

 もしやと確かめたら思った通り。

 彼はしめたと思った。

 わざわざ道具を使い、ドアやら窓やらを開けずとも、これなら簡単に部屋の中に入ることが出来る。

 しかし、古いアパートの事だ。

 窓の立て付けが悪くなっている可能性は十分にある。

 窓を開けた途端に鼠の鳴く様な音を立ててしまっては、彼は静かに忍び込んでいる意味を無くしてしまう。

 彼は手袋をはめた手で、ゆっくりと、少しだけ窓を開いた。

 窓は耳障りな音を立てることなく開いた。


 正に、しめしめ、だ。


 彼はまだ用心しながらゆっくりと、窓を体が入る分だけ開き、するりと部屋の中に入った。


 部屋には薄いカーテン越しに月明かりが漏れており、暗くはあるが夜目に長けた彼には部屋の様子を知ることが出来た。


 部屋の広さは六畳ほど。

 彼が入って来た窓から見て正面に引き戸(おそらくは水回りと玄関に繋がっている)がある。

 右の壁にはドアが、左の壁には押し入れがある。

 部屋の真ん中には、ちゃぶ台があった。

 彼が入って来た窓の真下には低い戸棚が左右の壁際まで並んでいて、その戸棚の上に小さなテレビが載っていた。


 ブラウン管テレビだ。

 

 空き巣を始めてから、仕事に入った部屋で、ブラウン管テレビは久しぶりに見たな、と彼は思ったが、テレビより、彼が気になったのは右の壁にあるドアだった。

 アパートの構造上、ドアがはまっている壁の向こう側は別の住人の部屋になっているはずだ。


 そう、このドアは隣の部屋と繋がっている。


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