ヤバイ映像が見れる部屋2p
草木も眠る丑三つ時。
あるアパートの部屋に空き巣が入った。
彼は素人ではなく、長年にわたり、その道で飯を食って来たプロだった。
彼は、自分でも不思議なほどに今まで空き巣で捕まった事は一度も無かった。
天職を空き巣に見いだすのは彼もどうかと思っていたが、空き巣は自分は向いているとは思っていた。
彼は、今日はもう十分仕事をしていた。
なので、この安アパートで仕事をせずとも良かったのだが、欲が出てしまい、以前一度だけ下見した程度で一度も中へは立ち入った事のないこのアパートに仕事に入る事にしたのだった。
目的の部屋は一階にある。
アパートは塀やアパートに植えられた木々に囲まれていて外から見られる心配はない。
普段から彼は、この街の家々の事はそれなりに調べていた。
彼の調べでは、この部屋が空き家でないのは確かだった。
そして、彼が見た限りでは、今、この部屋には人の気配は感じられない。
電気メーターも動いていないし、外から耳をすませても部屋の中から人が活動している様な音は聞こえない。
留守を確かめる為に呼び鈴を鳴らしてみようかと悩んだが、壁の薄そうなアパートだ、万が一でも他の住人の目でも覚ませたら都合が悪い。
だから彼はそれはしない。
玄関ドアの鍵を道具を使って開ける事も彼はしない。
ここでは、あくまでも中に人がいないか確かめるだけだ。
彼は仕事を早まって失敗する様な馬鹿な真似はしない。
彼は、この場を離れ、そのままぐるりとアパートの裏に回った。
地面を侵食している雑草を、彼は音を立てない様に注意深く踏む。
そうしてたどり着いたアパートの裏は広い庭になっていた。
暗がりの中、彼はアパートを見る。
アパートの部屋にはどの部屋もそれぞれ洗濯干しの取り付けられた窓がある。
二階のある部屋から干しっぱなしの洗濯物が夜風ではためいている。
どの部屋も静かだ。
このアパートの部屋はほとんどが空き家か、入居者が夜の商売の者が多いらしく、留守である事は、彼は調べて分かっている。
空き巣には実に都合の良い物件だなと彼は思った。
彼は目当ての部屋の窓にそっと近づく。
部屋には薄い白いカーテンがかかっていて、ぼんやりと部屋の中をのぞくことが出来た。
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