プロローグ3p

 物好きの客でも無い様な彼女に訳ありの物件を勧めるのも如何なものかとも思ったからだが、だが、しかし、本人が契約したがっているのだから不動産屋としての仕事をするしかない、と、店員は心の中で一人頷き、契約書とポールペンを彼女に渡す。

 それを受け取り確認している彼女に店員は「そこと、あ、こことここに、名前と捺印ね。あとそこに……」と指示を出す。

 彼女は言われるままに、茅野潤(カヤノジュン)と書き、ハンを押した。










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