後書き

― 西暦2018年12月31日


― サンレオナール王宮でなく、猫の額のような作者の自宅




 王国シリーズスピンオフ「王子と私のせめぎ合い」を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。特に応援、フォロー、レビュー、コメント下さった方々、感謝の気持ちでいっぱいです。ご意見ご感想、真摯に受け止めております。皆さまの評価、反応がとても励みになります。


 王国シリーズ一作目「この世界の何処かに」を書いている時にこの話の構想は大方出来ていました。どうしてこの王妃さまが王妃になったのか、レベッカの苦労は今に始まったことではないのだろう、何故侯爵家出身の王妃さまはそんなに俗語を知っているのかなど、いつの日にか明らかにしたい謎がたくさんありました。構想は早くから練っていたこの話ですが、公開はやはりシリーズが完結してからにしようとずっと温めてきたのです。


 時系列的にシリーズ作が始まるより少し前の話ですから、第三作や第四作辺りで大変苦しんだシリーズ作間の辻褄合わせもあまりなく、最後まで楽しく書けました。ただこの作品中に起こった南部での小競り合い、ヴァリエールの戦はほぼ全シリーズ作に関連してくるので、起こった時期に矛盾がないようにする必要がありました。


 シリーズ本編ではあまり活躍の場がなかったガブリエル国王、作者は結構好きなキャラの一人なのです。第四作でやっとまともに登場して国王としての仕事もしていた彼ですが、アントワーヌ君にまで『この威厳あるお方が王妃に頭が上がらないとは……あの王妃のことだ、何だか信じられる気がする』などと失礼なことを思われていましたね。彼にも花を持たせてやりたくてこの連載を始めました。ガブリエル王太子のカッコいいところをたくさん書こう、と張り切ったものの、結局は活躍というより案の定ミラに振り回されることの方が多くなってしまったのでした。


 個性の強い登場人物ばかりだったこの物語、全話を通して楽しく執筆できました。この場面でこの人にこれを言わせよう、こうさせよう、とどんどん頭にアイディアが浮かんできました。


 今作も頑張って各話の題名に趣向を凝らしてみました。お気づきの方もおられると思います。これはこれで楽しかったのですが、題名を決定するだけでまたまた結構な時間を取られてしまいましたね。


 この話の連載中「奥様は変幻自在」の番外編も何話か更新しましたが、とりあえず年内に完結出来てほっとしております。この後完結後の恒例のおまけとして『主要でない登場人物紹介』と番外編を少し公開していきます。


 その後は「奥様」と長い間放置状態の第四作「開かぬ蕾に積もる雪」の番外編もいい加減に全て公開し、ひと区切りを付けたいと思っています。よろしかったらそれらもお読みいただけると幸いです。


           合間 妹子

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