忘れないインタビュー

「だって、誰も治してくれなかったんだ。」

 銅鑼声響く告発に、静寂だけが呼応した。

 いや、僕の心臓のみが唸っている。

 瞬き忘れた目ん玉が穴を開けてやりたいと、

 直立するあいつを録画する。

 されど、熱い視線が注がれる当のモデルは懺悔しか、

 崩れね態度で披露しない。

 未だに不動なお姿は、他局や視聴者の涙を誘い、届かない思いに憤る。

 ふらつき始めた僕のカメラに、歯軋りが追加された。

 放送するなら、カットだろう。

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