手垢のついた言葉

 どれだけの時間が流れたというのに、

 過去が私を逃がそうとしない。

 乗り継いだ場所にはなんのゆかりもない。

 有名と言われてもそんなの私は聞きたくない。

 こちらにもセクハラで訴える権利あり。

 けれど、違うよね。

 嫌気が差しているけれど、この座を譲る気持ちはない。

 見上げた先の笑顔がさ、曇った景色を晴れさせる。

 再び思い出す、忘却を忘れた頃に。

「私もなにか役に立てているのなら、いいね。」

 ただ少しだけ洗わせて。

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