一歩
「本当に自分のことを考えているのだろうか。」
下界の青が遠ざかる。幽体離脱の体験版。
この未知の機械に乗ってれば、僕はほんとに安全か。
他人と同じ船だから、劣等と不安も持って来た。
爪先は宙に浮足立ち、どこか遠くへ拉致られる。
そんな思いも数日後、体に残る重力さえ、すっぽり消えてしまうのか。
大気圏を突き抜けた、後ずさる足は切り捨てろ。
見渡すは、視えない闇と光る星。
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