脆い歯車が軋む

ふと、思ってしまった3月。

知らなければ幸せだったのか、と寂しい疑問が浮上する。

何気ない素振りがどうしようもなく普通で、けれどそれは自分に諦めを突きつける。

目と鼻の先。されど見えないその背中。

みんな違ってみんな良い、慰めのような甘い沼。

抵抗できない苛立ちが、劣等感を膨らます。

同い年と思えない友人に、口が言ってしまったんだ。

「僕は、あなたみたいに歩けない。」

静かに降り積もる、きめ細かな後悔。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る