10. ホンダ医師の医学文献(妙録)



『心因性相貌失認そうぼうしつにんの一症例』


(前略)患者については当初、記憶喪失の原因と思われる「外傷による内圧」が存在していた。やがて内圧は解消されたが、その後の患者は「①相貌失認症」および「②失語症」に類似した症状を呈した。当初は心因性の神経障害を疑うが、CTスキャンによる複数回の検査により、後頭葉に極小さな腫瘍が認められる。これにより治療計画の変更を検討するも、ある日を境に突然の回復が見られ、結果は心因性の失認という診察に至った。回復の直接的理由は依然不明である。根拠に乏しいが、環境変化(肉親および友人・関係者等の看護)が大きな影響を与えたという視点もあり、本症例の神経・心理学的な側面について検討する余地はあると考える。



「脳と神経 Brain and Nerve ○年×月号」より 一部抜粋


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