Middle 04

ScenePlayer―――恭恵愛心


マナ:次はミドル4シーン目だよ。シーンプレイヤーはまたマナ。

つばさ:ふぁいおー! 私も登場!

田中:田中ばくたーん!

仰倉:オレも登場する。

マナ:舞台は音楽室。

田中:最後は図書室にいきたいわね。

マナ:ライバルのたくらみチャート、隠れているところを発見される。ですね。(ダイスを振る)あ、また交渉判定のトラップ解除だ。

つばさ:これって井上さんに発見されるのかな、井上さんが発見されるのかな。

田中:井上さんは絶対自ら出てこなそう。

仰倉:ライバルが主語になりそうなので井上さんが発見されるほうかな。

マナ:井上さんが我々に見つかる⇒逃げる⇒追う⇒妨害してくるのを交渉判定でトラップ解除、でいきましょう。

田中:おけ。

NPC/瑞希:「ここは音楽室だな」

マナ:「さっきまでここにいたけど、ちょっと様子が違っているわね」ピンクの輝きがいっそう高まっている気がする。

つばさ:連弾していいよ男子! 井上さんをおびき出そう!

仰倉:絶対弾けない。

つばさ:「木魚だ! 叩こう」

マナ:あるかなあそれ。

つばさ:音楽室といえば木魚ですよ。ポクポクポクポク。

田中:「お、ギターもあんじゃん!」ジャジャジャーンとかき鳴らします。「ミッキーミッキー!」と手招きして、瑞希にエレキを持たせますわ。

NPC/瑞希:「お、おう」

田中:「オークラはドラムな!」

仰倉:「なんで俺が……」

田中:「桜坂はベース!」

NPC/陸:「えっ、ぼ、僕も⁉︎」半ば押し付けられる形で、ベースを構える。

つばさ:お! イカレタ仲間紹介するやつ??

田中:男子メンバーでバンド組んだら井上さんも大喜びかと思って。

マナ:井上さんの喜び沸点低いな。

つばさ:じゃあ私はおとなしく木魚叩いてますね。

マナ:じゃあ私は意味もなくバッハとかベートーベンとかの肖像を眺めているね。

つばさ:女子はおとなしくしていようね。ポクポクポクポク♪

田中:「じゃあ俺がギターボーカルな! イカレタ仲間を紹介するぜー! ミッキー!」

NPC/瑞希:エレキをかき鳴らす。

つばさ:「トライアングル見っけ!」ポクポクポクポク……チーン♪。

田中:などと悪ノリを重ねていると。震度2。だが、ものすごく近くに震源があるような気がした!!

つばさ:ちょっとだけ琴線に触れた(笑)

田中:「田中陽介! 歌いまーす! って、井上じゃーん!」音楽室の片隅といいつつバンドメンバーがばっちり見えるポジションにいつの間にか井上が立っていた。

マナ:不用心(笑)

仰倉:見に来ちゃった(笑)

つばさ:田中の存在便利ですね。

田中:本気出すと進行力やばい。

マナ:本気出していいのよ。

つばさ:「井上さん……ええっと、B組の」

NPC/陸:「確か文芸部の」

マナ:「(やはり彼女が“理想郷”?)」

仰倉:井上はヤバイって顔をして音楽室から走り去る。

マナ:「お、追いかけましょう!」

つばさ:「あ! 待って! 危ないから一緒に……」木魚を持ったまま走って追いかける。

仰倉:「待てコラ!」

NPC/陸:「え、あ、ちょ、ちょとまって!?」コードに躓いたりしている。

田中:「井上~せっかくだから俺の歌を聴いていけよ~!」

マナ:井上さんの周囲がそれ以外の場所よりも強く桃色に輝いているようだ。

田中:絵づらがすごい。

マナ:「桃色の領域、彼女が発信源かもしれないわ」

NPC/陸:「それじゃあ、彼女にお願いすればここから出られるんだね!」

つばさ:「とにかく話を聞いてみよう! 井上さーん!」ポクポクポクポク。

仰倉:「オラ! 待てや! ぶち転がすぞ」

つばさ:キャー怖い。

田中:トラップ判定かな。

マナ:井上さんが何かしらの妨害をしてくる。

つばさ:ヘイヘーイ。

マナ:交渉技能で回避できる罠か、なんだろう。

つばさ:うーん、また《交渉》かあ。

マナ:井上さんの妨害に合わせた能力値に変更してもいいね。

田中:みんなで二人三脚する?

つばさ:天才か。

マナ:えーっと、それはどういう妨害なの????

つばさ:なぜが足がくっついてしまうんですね、因子の力で。

マナ:因子すごいね。

仰倉:因子のプロ。

つばさ:因子はすごいですよ。奥が深い。

マナ:因子悪用のプロ。

仰倉:業が深いに見えた。

田中:問題は組み合わせよ。

つばさ:ペアはダイスで決めましょー! 男女混合でいいかなあ? 井上さんも焦っていたということで。

田中:それは陸にやさしい決定!


 ペアをダイスで決定した結果、以下のようになりました。

 

  陸・田中

  マナ・オクラ

  瑞希・つばさ


仰倉:「え!?!? いいんすか!?!?」

つばさ:瑞希くんつばさちゃんペア! 意外とこのふたりの絡みないからうれしー。

NPC/瑞希:もっと絡んでくれよ……。

つばさ:ボケ同士だから……。

田中:ビンタした仲じゃん!

つばさ:そうでしたね!


 本編で、瑞希がまだ人との関わり方が拙かった頃、UGNの任務を遂行しようとつばさを問い詰めた結果、ビンタを受けた。これによって瑞希は家族愛について考えるようになる。鶴の一声、ヒロインの一撃。


NPC/瑞希:つばさは兄のことしか見えてないし、陸はパパのことしか見えてなくて、瑞希すごい寂しい子だなって思ってた。

つばさ:ごめんよ~~~。

NPC/陸::友情はぐくんだジャーン。

NPC/瑞希:いっそ瑞希もめっちゃ大好きなNPCを作っとくんだったわ。それなのに関係が難しい母とかNPCにしてしまったもんだから、もうね……。

NPC/陸:そうかねえ、瑞希はけっこうおいしいと思っているぞ!(当社比)


       *   *   *


桃色吐息ジュブナイル・セッション

 井上がそう囁くと、前をゆく井上の周囲から桃色の因子が撒かれ、近くにいた者同士の足と足がハチマキで固く結ばれてしまう。具体的にはカップリングが組まされる。


つばさ:みんな! 足がもつれて組んずほぐれずだ!

田中:「うお! なんだなんだ体がはなれないぞ!」

つばさ:「あ、足が進まない! うわあ!」バランスを崩して転んじゃう。どしゃー!

NPC/瑞希:「うおっ、ちょ」っと巻き添え。

仰倉:この場合、判定は《回避》がいいかな。

マナ:では《回避》で。難易度12だよ。

田中:「ちょ、桜坂! お前でっか!」

つばさ:体格的には一番バランスいいんじゃない? 陸・田中ペア。陸君は180センチだったよね。

田中:よーちゃんは170ちょいくらいなイメージだったわ。

NPC/陸:「っとうわ―――!」すっころぶ本日2回目。


仰倉:オレは回避判定放棄するね。

マナ:なんでよ。

仰倉:せっかくマナちゃんと脚組んでるから……。めっちゃ効果的な攻撃したな井上め!

田中:下心(笑)

マナ:「ちょっと、仰倉くん、のんびりしている場合じゃないでしょ!?」

仰倉:「(うおおおおマナちゃんと脚を組んでいる! 夢みたいだ! もう死んでもいい!)」

つばさ:死ねよ。

マナ:「(こいつ、帰ったらお仕置きが必要だわ)」


つばさ:「いったー! はっなぜか足首にハチマキが巻かれてる!」

NPC/瑞希:「これを解ければ! あ、井上を逃がしてしまう!」

つばさ:「めっちゃ固くしばってある! 取れない!」これ制服だとパンツ見えそうじゃね?

田中:「俺は田中! チャンスは逃さない男! 白! と黒か」つばさとマナを交互に見る。

つばさ:そう、わたしの心の目にはばっさーのパンツが見えている。って田中!! マナちゃん黒なの? 紫じゃなくて?

マナ:紫(笑)

田中:紫のパンツはいてる女子はあんま見たことなくね?

つばさ:女子のパンツにお目にかかる機会が人生であんまりなかった。「し、白じゃない! 薄いピンクだもん!!」

田中:「お、わりーわりー! ピンクな! 訂正!」売り場にそもそも売ってないかも?

マナ:スカートを抑えて、田中を軽蔑した眼差しで見る。

仰倉:(いいなあその眼差し)

田中:てへぺろって顔をしている。


仰倉:これもう井上逃げてるわ。

田中:いや、見物しているやも。

マナ:なるほど?

田中:(井上)「新カップリング! 萌える!」

つばさ:ミッキーも我々のパンツについてコメントしていいよ。見なよ。

NPC/瑞希:見なよってのうけるな。

田中:見えないだろ(笑)「さって、そろそろ井上を追いかけるかな!」

マナ:ではトラップ解除の回避判定どうぞ。

田中:(ダイスを振る)失敗。「行くぞってうおあ!」再度すっころんだ陸に引っ張られて転ぶ。

NPC/陸:「ご、ごめ―――ん」

マナ:5で失敗。

仰倉:(ダイスを振る)20……?

田中:オクラ(笑)成功(笑)

つばさ:放棄しないんだ(笑)

仰倉:「ああほどけちまった!?!?」

マナ:「やっと解けた」

仰倉:「くそ―――」

つばさ:ファンブル。あいやー。肉体1の私には厳しいな。「だめだ、取れない! 瑞希くん、これ二人三脚した方が早いよ」

NPC/瑞希:「発想の転換か」

つばさ:「大丈夫、瑞希くんとは背も近いし、走れる!」私164センチなので!

NPC/瑞希:近い。俺は167くらい。

マナ:「みんな、遊んでる場合?」


 回避判定失敗によって、情報収集の難易度は20に。


つばさ:マナちゃんに《導きの華》!

マナ:(ダイスを振る)11、これに+14して25。

仰倉:25で成功(+3)ってことで。

マナ:プライズは……大地震は幻影らしい。

仰倉:知ってた速報。

マナ:それな。

田中:じゃあ井上が地震の原因だったことがわかることにしましょう。

マナ:井上さんを追い掛けていたときも地震が発生していたということにしては?

田中:そうそう。田中と陸がくんずほつれるたびに震度2が起こる。

つばさ:推しカプじゃないのかな?

田中:推しカプだったら震度4くらいかな。

マナ:震度2が起こるたびに、井上さんの周囲の領域が桃色の光を強める。

田中:「……これってもしかして」と陸の腰にすっと手を回すと震度2が。

マナ:「やはり彼女が地震の発生源、ひいてはこの空間の支配者ということね」

仰倉:「腐女子ってやつじゃねーかよ」

つばさ:「男の子同士の恋愛を自らが天井となり眺めていたいという人のこと?」

NPC/瑞希:「あれか、ベッドになりたいとかタグに付いてるやつか」

仰倉:瑞希ツイッター見てる(笑)

田中:「詳しいな! 天野! それって人間か? 人間をやめるってことか」

つばさ:「ある意味人間やめてる」

マナ:「まあジャームに近しい存在かもね。理性もあれだし」

田中:「なるほどなるほど」スマホをいじっていろいろ調べている。てなところで情報のプライズたまりました?

マナ:たまった。

つばさ:行こうぜ!

マナ:井上さんは図書室の方に向かっていったということにして、脱出の場所は図書館にしては。

仰倉:そうしましょう。

マナ:「さあ、紐をほどいて図書館に向かいましょう」

つばさ:「よっし、行くよ瑞希くん! せーの! いちに! いちに!」二人三脚のまま走りだす!

NPC/瑞希:「だ、だから紐解いてからだって、うおっ」

つばさ:「声出してこー! いちに! いちに!」

田中:二人三脚がほどけてないから追いかけられない(笑)

マナ:そうだった。

つばさ:次のシーンになったらほどけることにして、今は二人三脚を楽しみましょ!

マナ:ただ、事件の真相が研究施設になっちゃったので、高校がレネビでありボスってことになったんだけど……。

仰倉:高校がボスってどうすればいいだろう。

田中:こう、なんか具現化した欲望が…うんたらかんたら。

つばさ:むずかしいなあ。うーん。井上さんが天井になればいいんじゃない?

マナ:???

仰倉:なるほど。

マナ:だからどこにいても目撃できるってこと?

つばさ:自分が世界となりホモや百合を眺めていたいという願望。

仰倉:井上さんが高校となって生徒のくんずほぐれつを見るってことね。

マナ:高校という場所に同化しつつある幽霊的な存在ってことかな。

つばさ:時には保健室のベッド、部室のベンチ、教室の天井となり、愛が育まれる様を見ていたい。とか?

仰倉:ホモあるところ井上ありみたいな。

つばさ:腐女子ってほら壁になりたい人多いじゃないですか。

田中:やるな井上。

マナ:じゃあそういう感じで。

田中:おーけい!

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