7 文明課題図
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文明生活といってもやはり、狩猟時代などの生活と同様に、
生きるために必要なもの(資源あるいは財、富)を、
〝自然〟から得て、〝人々〟の間で分けることにより、営まれます。
ここでいう〝自然〟とは、
〝ああすればああなる、こうすればこうなる〟という、
一定の法則に従う文明活動の客体をいい、
医学や社会科学の対象としての、個人や社会も含まれます。
また〝人々〟とは、
〝ああするのがいいか、こうするのがいいか〟ということを、
一緒に考えて決める文明活動の主体をいい、
今は考えられなくても、赤ちゃんなども含まれます。
そこで様々な社会の問題は、理論的にみると、
生活に必要な資源(財、富)を、〝自然〟から得る生産の問題と、
〝人々〟の間で分ける分配の問題に、区分けすることができます。
その2つをさらに詳しくみると、次の4つの問題に分けられます。
① 資源枯渇(資源入手の困難)
…… 特定の資源が不足すること
② 環境破壊(資源利用の衝突)
…… ある資源の利用が、環境内にある他の資源を損なうこと
③ 貧困・不公正(利害調整の不調)
…… 資源の分配が、文明の発展上好ましくない状態になること
④ 戦争・犯罪 (利害調整の失敗)
…… 公正感覚の不足や
あるいはその是正活動が、さらなる資源の損失を招くこと
技術上の問題が生産の問題、政策上の問題が分配の問題というなら、
逆にこれを問題の側からみれば当然、
資源の(確保も含めた)生産の問題は技術の対象となり、
資源の(再投資も含めた)分配の問題は政策の対象となるはずです。
しかし現実的には、4つの問題は相互作用の関係にあります。
技術と政策という解決手段にも、助け合うところがあります。
すぐには根本的な解決ができないとしても、
まずは対症療法が必要な場合もあります。
例えば環境問題で、技術的な解決がすぐにはできなければ、
利害調整を行う政策による解決の部分が大きくなります。
戦争や犯罪でも、政策による抑止が十分にできなければ、
実力勝負の技術による解決の部分が増えてきます。
そこで様々な問題の解決策もまた、図のように、
「主として」技術あるいは政策の効果が大きい、となります。
もっともこの分類では、環境問題に生活習慣病も含まれてしまいます。
しかし、今では体内環境という言葉もあるので、
理論的にはこれでよいと思います。
また戦争は、内戦なども含めて紛争と言ってもよいかもしれませんが、
法的紛争などは社会における健全な利害調整という部分もあるので、
分かりやすい戦争という言葉を使いました。
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