第9話 お隣の国

 拙作「異世界工業化」の舞台である半島の、こちら側の世界にある、あの国ですが。

 最近、また話題になってますね。歴史問題がらみで。


 あの国における「歴史」は、他国から見るとフィクションにしか思えなかったりします。私たちの感覚では奇妙だし、不愉快だったりもします。


 しかし、はたから見て怪しげなものを信じ込んでしまうのは、どこの誰でも起こりうることです。オレオレ詐欺とかおかしな健康法とか。

 つまり程度の差であって、人は皆、間違いを犯す存在なんですよね。


 911テロは米国の自作自演だとか、311の津波は地震兵器だとか、おかしな陰謀論は日本にも沢山流れてます。

 さすがに、その類いのものを国を上げて信じ込んでしまうのは、どうかとは思いますが。


 ある意味、人間誰もが抱えてる問題を体をはって表現してる国、とも言えますね。

 では、どうしたら解決できるだろうか?

 そう思って色々調べだした結果、たどり着いたのが「貧困」でした。

 経済的にも文化や教育の面でも、ずっと貧しかったんですね、あの国は。

 では、豊かになるには、どうしたらよかったのか。


 「異世界工業化」は、そんな思いから生まれました。

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