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丹堂妙乃様。
光冷ゆる朝日の眩い季節になりましたね。あの夏よりも鮮烈でいて、真っ直ぐに世界を射抜く朝日の冴えを、山頂で見るのが、とても好きなんですよね。
風星、光冷ゆ、霜戯る、冬はつとめて、といいますが、未言も冬の早朝を愛でるものがたくさんありますね。
しかし、未言巫女は、いろいろな作品で描かれているように、独特の感性と習性と思考を持っていますから、とても大変な目に遭いそうです。未言屋店主でも、作中で何度も手を焼いているのですから。
もしかしたら、こうして羨望しているくらいが一番ちょうどいいのかもしれません。
ちなみに、未言巫女に好かれて、未言巫女が守護霊のように纏わりついた人のことを、未言憑きと呼んでいたそうです。憑くという言葉からも、未言屋店主が未言巫女を妖怪に近いものと捉えていたのがわかります。
未言屋店主の書いた文章の中に、未言巫女とは、未言の言霊なのである、ともあります。伝承の木霊のように、言霊がそこここで未言として隠れているのを想像すると、確かに、妙乃さんの言う通りに可愛いものかもしれません。
でも、妙乃さんは未言巫女に心を寄せて、妖すなどに悪戯されないように、よくよく気を付けてください。敬具。
三栗隆文。
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