第38話 順調なのか、そうでないのか

結局、春さんは3日程入院して帰って来た。


私は、春さんが入院した日に、買い出し等の『足』要員を確保し、

店の女の子にザックリ事情を説明し、なんとか退院するまで店を回した。


が、帰って来た春さんは、とても仕事になる感じではなく・・・

しかも、メンドウな事に、どこで聞きつけて来たのか

春さんの彼氏の1人である、かずくんが、夜中に家まで来たのだ。

可哀想な事に、二股をかけられていることを知らなかったのは

かずくんだけで、とにかくメンドウだった。

メンドウだったので

『騒ぐだけなら、春さんを寝かせたいから帰ってくれ』と言った。

『なぜ、雨月に帰れと言われなければならないのか』

『なぜ、自分が帰り、岡田さんは残るのか』

と、煩かったので

『ここは私の家でもある』

『岡田君には、春さんの代わりに、私の足になって貰わないと困る』

『話がしたいなら、もっと怪我と、オマエが落ち着いてから出直せ』

と、言って無理矢理帰した。


とりあえず、店はどうにかなるから心配はいらない事。

ゆっくり休んで、早く治す事。

家で出来る仕事は手伝ってほしい事。

そんな事を色々決めて、岡田君は仕事に戻り、たまには家にも戻り

春さんの家に来て手伝っていったり、私の足になったりと、

なんだかんだで、なんとかなっていた。


なんとかなっている・・・と、思っていたのは

私と春さんと、岡田君だけで、実際は全く何ともなくはなく、

色んな火種が飛び火して、メンドウな事ばかりが

ここから始まっていったのかもしれないと、今にして思う。



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