(今回、ララ様は)裏目に出た悪巧み(お休みです)

※今回はミサキ様と椿ちゃん(見た目は小学生、実年齢はとっくに2桁)、それに正蔵君が出演します。

※呼び方が変わっているのは仕様です。



「うふふ……❤

 これで、正蔵様もイチコロですわね❤」


 カメリア宮殿の一室で、アルマ帝国第三皇女ミサキ・アルマ・ホルストは何やら微笑んでいた。


「私の法術と、選りすぐりの材料を集めて作ったこの特製の薬……。

 こんなものを一滴盛れば、正蔵様はわたくしを襲いたくて襲いたくて、たまらなくなるでしょう……。ふふふっ」


 ミサキの姿は光に包まれた。

 後には静寂だけが、部屋を支配していた。


     *


(うふふっ、誰もおりませんわね)


 正蔵と椿の愛の巣である家に忍び込んだミサキは、薬を飲み物に盛る。


「どれがどれだかわかりませんから、全てに一滴ずつ盛って差し上げますわ」


 落ち着いた手つきで、薬を飲み物に混ぜるミサキ。

 そして、最後の一滴となった時……。


「後はこれで……」

「ただいまー」

「!?」


 焦ったミサキは、残りの薬を、飲み物に注いでしまった。


(な、何てこと……!

 けれど、今は隠れなくては……!)


 慌てて法術を発動し、姿を隠す。


「ん、靴が増えてるな?

 まあいいか。さて、喉が渇いた」

(そ、それは……!)


 正蔵が手を伸ばしたコップは、よりにもよって“全部零した”ものであった。


「ダ、ダメぇえええええっ!!」

「え、ミサキさん……?」


 ミサキが大急ぎで法術を解除し、止めにかかるも、遅かった。


 既に、正蔵の喉が鳴っていたのであった。


「は、吐き出してください、正蔵様ッ!」

「そ、それは……? ぐ……ッ!」

「正蔵さ…………きゃぁっ!?」


 ……つまりは手遅れという事である。


     *


「………………ッ!」

「あぁっ……!❤

(こ、これで10回目……❤)」


 案の定と言うべきか、既にミサキは正蔵の餌食となっていた。


「はぁ、はぁ……❤

(なのに、まだ……❤ 硬い、なんて……❤)」

「しょうぞう様?」

「ク、クレド様!? ひぁあっ!❤」

「ミ、ミサキさん!?

 しょうぞう様、だめぇっ!」


 椿は正蔵にしがみつき、必死に呼び止める。


「やめて……やめてっ、しょうぞう様!」

「………………ッ!」

「~~~~~ッ!❤」

「はぁ、はぁ……。

 つ、椿、ちゃん?」

「しょうぞう様、もうやめて……!

 私になら、何をしてもいいから……!」

「……ッ」


 ミサキから離れた正蔵は、ゆらりと椿の肩を掴む。


「ふふっ❤

 やっと一つになれますね、しょうぞう様❤ 十何年ぶりです❤」


 椿は部屋に行く途中、正蔵に向けて微笑んでいた。


     *


「はぁ、はぁ……❤

(ふふっ、クレド様……❤

 存分に、正蔵様とのお時間を、楽しんで下さいね❤)」


 残されたミサキはその場にへたりこみながら、部屋から響く椿の嬌声を聞いていた。



作者からの追伸


 はい、有原……いえ、アリ・ハリラーです。


 そういう訳で下克上です。そしてリベンジです。

 いかがでしたかミサキ殿下? 正蔵君とのお時間は?

 ところでミサキ殿下ですが、てっきり99Hから成長しているものかと思いました。


 105J


 そして私は、何故今までこれを書かなかったのだろうか!


 では、今回はここまで!

(「ミサキ殿下も椿ちゃんも、もっと派手に致させるべきだったか……!?」と思いながら)

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