おまけ(ミサキ様のエピソードあり)

求めるは、お前だ

 深夜、ヴァレンティア城にて。

 龍野がぐっすりと眠る姿を、微笑みながら見つめる者がいた。

「ふふっ、ぐっすり眠っているな……」

 その者は金髪をなびかせ、豊かな胸を揺らしながら、龍野の眠るベッドの上に、ゆっくりとまたがった。

「男なのに、いい唇をしている……。私達の性別が逆転していたら、良かったのにな。んむっ」

 そのまま自らの唇を龍野の唇に近づけ、そっと触れあわせる。

「ふふ」

 そして龍野の顔に両手を添えると、更に濃厚な口づけを交わした。

「んんっ」

「むぐっ!?」

 龍野が目を覚ますが、熱いキスは終わらない。

 二人が格闘すること15秒、ようやく呼吸が再開された。

「誰だよてめぇ! ……って」

「ふふ、おはよう龍野」



「ララ師匠!?」



 龍野の唇を貪った人影の正体は、アルマ帝国第四皇女、ララ・アルマ・バーンスタインであった。


     *


「それで、どうしてヴァレンティア城ここに?」

 眠りを妨げられた龍野は、やや不機嫌そうにララに問いかける。

「ん、ヴァイスシルト殿下に招かれてな」

 ララはあっけらかんと答えると、龍野をじっと見つめる。

「それはそうと、龍野。私がここに来た理由は他でもない」

「は、はい」

 ララは龍野に、互いの息がかかるほど近づく。

 龍野がドキリとした瞬間に、言葉の続きを話した。



「そろそろ、お前の子供を宿そうと思ってな」



「ちょ!?」

 突然の話に、龍野は思考が追い付かなかった。

「ふふ、ヴァイスシルト殿下がご懐妊されたと聞いてな」

「えっ、えっ……」

「とぼけるなよ、殿下自ら『龍野君に伝えたら、喜んでくれておりましたわ』とおっしゃったぞ?」

「あっ、あのっ、それは……」

「ふふ、まあいい。そういう訳で、その子の弟か妹が欲しくなってな」

 ララは中途半端にドレスを暴くと、龍野にもたれかかる。

「ほら、龍野。お前の心も、欲しがっているぞ?」

 そしてするりするりと龍野を暴くと、ゆっくりと舌先を這わせ始めた。

「ッ……」

 龍野は覚悟を決めると、ララの後頭部に優しく手を添えた。

 ぴちゃり、ぴちゃりと音が響く。

「ふふ、本気を出してきたな。では、私も応えようか」

 相も変わらず豊かな、それでいて美しい形の果実に、龍野をずぶりと沈める。

「どうだ、この眺めは? クるものがあるだろう?」

「…………!」

 最後に見たのはいつ以来だか、龍野は思った。

 沈められたソレが、悲鳴を上げ始める。

「ほら、じっくりいたぶってやる。ふふふっ」

 いつかの時とは違い、今のララは本気で悲鳴を聞きたい。その意志が、果実を操る両手に現れていた。

「や、やめっ……」

「ふふっ、馬鹿者が。やめる訳が無いだろう」

 ララは笑みを浮かべながら、果実を擦り付ける手を更に速める。

「さあ、まずは一口」

 ララがパクリと口を閉じると、龍野がベッドのリネンを強く握りしめた。

「ぐっ……! ………………あぁっ!」

 歯を食い縛るが、意味は無い。

 龍野は堪えかねて、ララの後頭部を押さえつけた。

「~~~ッ! んっ、んぐっ!」

 ごきゅんと喉を鳴らしたララは、涙目で龍野を睨み付ける。

「貴様、仮にも師匠に何たる事をしてくれる」

 しかし声は、口調とは裏腹に嬉しそうであった。

「いや、『何たる事をしてくれる』って……何たる事をしているのは、ララ師匠でしょうが」

「そうだな。ところで今の霊力……いや、魔力を飲んだ事で、ますます欲しくなったぞ? 龍野」

「ええ。俺もスイッチ、入っちゃいました」

 龍野はベッドに寝転がると、自身の両手とララに差し出された両手をがっちりと組む。

「まあ、最初は私がいただくがな」

「ええ」

 ララの言葉に頷く龍野。


 すると、二人が両手を強く握りしめた。


「ふふっ、どうだ……?」

「相も変わらず、ですね……ははっ」

 直に味わう熱。

 最高級のワインにもまさるこの感覚に、二人は酔いしれていた。

「じっくり味わいたいものだな……」

「ええ、ララ師匠……。っ……」


 しかし、余裕であることを許された時間はそう多くなかった。

「さあっ……今度は、私の……」

「……」

 二人が密着し、互いの感触を強く味わう。

「いい、だろ……? さあ……早くぅ……」

「…………」

 龍野の心は、既にけだものに支配されていた。

「お願いだ、龍野ぁ……もう、っ……」

 ララの耳元での声が、最後のトリガーとなった。


「………………ッ!」

「くぅ……ッ!」


 刻み付けようと、ひたすら鼓動を鳴らすモノ。

 そして、刻印それを受け入れようとするモノ。

 今それらは、まさに共鳴していた。

「ふふっ……。龍野、まだまだ夜は長いぞ……?」

 ララの小悪魔にも似た囁きに、しかし龍野はそれを肯定するかのようにララの唇を奪った。


     *


 始めてから三時間後。

「………………ッ!」

「んんっ!」


 四時間後。

「………………ッ!」

「ふあっ……!」


 五時間後。

「………………ッ!」

「んぅ……ッ!」


 そして、始めてから十二時間後。

「………………ッ!」

「あぁあああ……ッ!」


 ここにきて、ようやく二人の夜は明けたのであった。


     *


「はぁ、はぁ、はぁ……。まったく、もう使い物にならないではないか。三日洗濯しても、これは取れんだろうよ。この大馬鹿者、どれだけ私をぐしゃぐしゃにすれば気が済むのだ?」

「はぁ、はぁ……。そういう師匠も、どれだけ俺から貰えば気が済むんですか。いくら俺でも、流石に今回ばかりは死ぬかと思いましたよ」

「それは私のセリフだ。だが、『死ぬかと思った』か。今回は、それくらいのが適しているだろう」

「というと?」

「体がちゃんと反応してくれて、目的を達成しやすくなるという事だ」

 ララはぐちゃぐちゃになったドレスと体を、気だるげにベッドへと預ける。

「さて、式はいつ挙げようか?」

「えっ」

「おっと勘違いするな。帝国の新しい石頭どもを納得させる為のセレモニーだ」

 龍野は一瞬戸惑ったが、すぐに納得した。

「ああ、それですね。早いのがいいのかな……?」

「一か月後なら大丈夫だ。まあ遅くとも、三か月後までだがな」

「それじゃ、ヴァイスとの式の後にでも。つまり二か月後ですかね」

「わかった。ふふ、私もとうとう、めとってもらえたか……」

 朝焼けに照り映えるララの笑顔は、美しいものであった。



作者達からの追伸


有原A

「はい、綾瀬重工開発部の皆様! 最新話が完成しました!(尻から血を流しながら)」


有原B

「ララ様ww欲求不満だったのですねww」


有原C

「『こんなもので私のグラマラスなボディーを描写しきれると思うな!』と言われてはww私も遠慮する訳にはいかなかったのですよww」


有原D

「ああそうそうww私達はペルシャの不死隊イモータルズよろしく数が減りませんのでww有原Aを殺したければどうぞご自由にww」


有原E

「ちなみに次はww“『くっ殺抱き枕』の魔改造”らしいですよww哀れドクター・ノイベルトとドクター・ゲープハルトww」


---


ヴァイス

「終わりましたわ。後は……」


ブランシュ

「叔母様と綾瀬重工開発部に流すだけですわね」


グレイス

「ああっ、大叔母様……。大変おいしゅう、ございました……。じゅるり」


ヴァイス

「もうそのまま、ゴールインすればよろしいのに。ララ様(もっとも、正妻の座は私で固定なのですけれどね)」


ブランシュ

「全ては叔母様の好みの殿方がわからなかった事に尽きますわ、うふふふふふ」


グレイス

「ああっ、大叔母様、大叔母様、大叔母様!(興奮状態)」


ドクター・ノイベルト

「ところで、私が呼ばれたのだが」


ドクター・ゲープハルト

「私も呼ばれたのですが」


ブランシュ

「あら、ドクターのお二方。のインタビューですわ」


グレイス

「しっかりと、秘密を暴かせていただきますわ!」


ブランシュ

「ところで、アレは実は二つ(二種類)しかない逸品なのでしたわね」


ドクター・ゲープハルト

「ええ」


グレイス

「では、説明をお願い致します。お二方」


※はい、次は「くっ殺抱き枕」の説明に入ります。

 もっとも、○○小説に似たお話はここまでなのですが、ね。


 では皆様、ごきげんよう!

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