第6話

私の中の赤ん坊の私は、どんどん成長している。

2歳の頃、私はすごくいい子だった。

「イヤイヤ期」だったにも関わらず、私は「いや」と言わない子だった。

「いや」と言えない子だった。

家は怖いところで、いつ何が起きるかわからない場所だった。

だから「いや」なんて言って「何か」を起こすのは怖かった。

だから言えなかった。

私は自分の意志をもつことをやめた。

自分の意思がなければ比較的安全だった。


ねぇ、私。もういいんだよ。

あなたはもう安全なんだ。

私と一緒にいる。怖いことが起きないように私が守ってあげる。

嫌だって言っていいんだ。

冒険していいんだ。少しくらい危ないこともやってみていいんだよ。

それが死ぬほど危ないんだったら、私が止めてあげる。

だから安心して冒険していいんだ。

秘密基地を作ったっていい。

「ここは私の場所!私以外は入って来ちゃダメ!」

それはわがままなんかじゃない。素敵なことじゃないの。

あなたは自分の頭の中で、空想して遊んでいる。

その小さな頭の中が、どれだけ活発に動き回っているか。

何か不安になったらいつでも私が抱きしめる。

そのために私がいるんだからね。

さぁ、たくさん遊ぼう。たくさん冒険しよう。そして「あー楽しかった!」と言ってベットに入ろう。

そうしたらあなたはそのうちに小学生になっているはずだよ。

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