別な意味で怖い話
不可思議ではない話です。
先日、正座を崩す拍子に畳縁に右足の親指の爪が引っ掛かり、メリッという嫌な音と共に激痛が走り、生爪を剥がしかけました。足の親指の爪は、数年前に巻爪の手術をした為、変にまっ平になってしまい、引っ掛かり易くなってしまったのです。
怖い話は生爪を剥がした話ではなく、巻爪手術の話です。
巻爪のせいで化膿して腫れ上がることが多くなり、形成外科を受診しました。初診なのにいきなり「じゃ、今から切っちゃいましょう」と。この日は右足の親指だけを手術しました。
麻酔が効いたら巻爪と肉の間にメスを入れ、付け根まで切り、切った爪を引き抜くのかな。見てないのでどんな処置だったのかは分かりませんが。
この手術を二週間後に左足でもしたのですが、これがとんでもなかったのです。
麻酔を打った時、液体が指の付け根へと流れていく感覚が、妙にはっきりとしました。右足の時にはなかった感覚です。しかも麻酔が効くのを待つ間、指先の感覚が麻痺しないのです。
手術をする寸前、私が「麻酔効いてません」と告げると医師が怪訝な顔をしながら、メス先で左足の親指の先をつつきました。
当然、痛いです。痛いと告げると更にあちこちつつき、挙げ句に「なんで麻酔効いてないのっ?」とプチパニックに。……嘘のようなほんとの話。
麻酔を追加され手術は無事に済んだのですが、その夜、恐怖が始まりました。麻酔が切れ始めたら、とんでもない激痛が起きたのです。
左足の親指がだんだん青紫色に変色し始め、痛みは強くなって、まるでもぎ取られるような錯覚まで起きます。
翌日にはぱんぱんに腫れ上がった青紫色の親指。これは指が死んだと恐怖しました。多量の麻酔による異常だったのですが、元に戻るまでの一週間本当に怖かったです。
医療事故は他人事ではありません。
怪異とは全く関係ありませんが、別な意味での恐怖は身近に転がっているのだと、まさに痛感した出来事です。
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