高校、短大時代
未成年期では、一番平穏な時代だったかもしれません。霊感があるという人や蛇アザを持つ人が割と居て、私よりずっと危険な体験話を聞いたりもしました。
私自身は怪異現象に遭遇する率が下がり、このまま視なくなるのかもしれないと思ったりもしました。
頻繁に出現した左手の他に記憶に残っている怪異が、あまりありません。
夜中の散歩で視るニョロニョロのような怪異、火の玉、足跡や腕。寝ている際の金縛り、怪異の行列に踏まれたり、時折紛れ込む浮遊霊による霊現象くらいでしょうか。
高校の校舎にも時折霊が出ました。人が集まる場所には寄りやすいので、別に不思議ではありません。
そう言えば、困ったのは修学旅行の時でした。京都奈良方面へと行ったのですが、私のグループは霊感があるメンバーが多かったせいか、毎晩誰かしらが憑かれて呻いていました。寝言をぶつぶつと一晩中やられて、私ひとり眠られず、最終日は移動するバスから降りることすら出来ないほど、ぐったりしてしまいました。帰りの新幹線で爆睡しました。
正直、私は高校を卒業する頃には、ほとんど視ない状態になっていたので、これで怪異とは縁が切れるだろうと思っていました。
卒業後は短大に進学したのですが、短大でも蛇痣を持つクラスメートが居たり、霊感のある子は居ましたが、私自身は怪異現象に遭遇する率が下がっていました。
二十歳を過ぎると視なくなる、という話もあったので、自分もそうなるのかもしれない、と漠然と思っていました。でも、終わらなかったのです。
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