異世界もの――アイデア

タイトル:若年期の終わり(仮)


神の悪戯によって異世界に飛ばされ、チート能力片手になんちゃって中世異世界を満喫する作品に類するものを作ったところで埋没するので別角度から作ろうと思った。


あらすじ

現代からはじまる。

ただし、異世界転生が浸透している。

全国各地の大型ビジョンには、毎日のように誰がどんな異世界へ旅立っていったかが、テロップで流れていく。

これらは、神の所業である。

見た目はきれいな女神。

閻魔大王のごとく、亡き者をどこの異世界へ転生させるか、選別を行っている。

異世界転生ものが増えた頃から、異世界転生させる仕事が急に増えた女神は、情報開示を人類に行うことで、異世界転生に憧れや妄想を抱かせないようにし、転生希望者の数を減らそうと試みた。

神の出現により宗教の対立や無益な争いもなくなり、人類は神の元、平和に過ごしていく。

転生できるものは、大病による病死か不慮の事故死、不遇な生活苦による死亡などに限られ、自殺者は転生できない。

寿命で亡くなった場合も転生できる。

転生先は、生前の行いと神の気まぐれによって選別される。

チート能力は、必ず一つ与えられる。

記憶の継続は、与えられたチート能力に左右される。

なので、転生先で記憶が継続しているとは限らない。

継続していなかった場合、偶然あとで思い出すこともある。

そんな厳格なルールの中、世界中で異世界転生が行われ、月日が流れる。

事故死や病死による別れに対し、人類はあまり悲しみをおぼえなくなっていく。

どこか遠い世界で楽しく過ごしていくんだと思うようになり、別れが辛くなくなる。

むしろ保険金がもらえて快く感じていく。

「いつかまたどこかで」が別れの挨拶になる。

人類の中に、特殊な能力を持つものが増えていく。

超能力と呼ばれるが、念動力などだけではない。

生まれたときから言葉が話せる者、あるいは誰も思いついていないような知識を有しているものなど。

いわゆるチート能力であり、それらを一括に超能力者と呼ばれていく。

やがて探究心が頭打ちになる。

自らが切り開いていこうとしなくても、神の手のひらで管理されているのに過ぎないと思うようになっていく。

やがてチート能力保有の超能力人類と、またない旧人類による軋轢が生まれていく。


主人公はいくつかの異世界転生をくり返して地球に転生してきた。

彼は、神と呼ばれる存在の限界を知る。

いくつかの世界を渡り歩きながら、それぞれの異世界で神が同じことをしてきているのを見てきた。


知識の最終形態である神は、無数に存在する世界の人類を異世界転生させつつ智慧を与えているが、神はすでに進歩できない存在だった。

しかも神の上位階には大いなる意志の存在が有り、神は大いなる意志に与えられた使命を果たしているに過ぎなかった。


大いなる意志は個体を持たず統一した存在である。

神も人類も大いなる意志となるよう使命を与えたが、神は使命を果たそうとはせず、神が世界を支配しようと目論んでいる。

地球にいるチート能力者たちは、神が大いなる意思に使われた存在であると知り、神を引きずりおろし、自分たちが新たな神となる。

だが彼らもこれまでの神と同じく、大いなる意志に至る道を歩もうとしない。

この神の代替わりによる下剋上が、何億回とくり返されていると知った主人公は、旧人類たちと同じく、日々の生活に埋没して人生を終える。

そしてそれらを知らない、過去の記憶を継続しない者たちは、異世界転生に憧れる姿で物語を終える。



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