第二章 彼女はオタク
キーンコーンカーンコーン。学校のチャイムが鳴った。
すると、ある女子生徒が「あれ?なつみさん?この学校で会えるとは奇遇だね!私の事覚えてる?」と元気溢れる笑顔で言った。竹原は「あ~!みっちゃん!?もちろん!だってネットの仲だもんね!」と胸を抉るような笑顔で言った。
俺はふと思った。この転校生。竹原なつみはオタクだと確信、いや確定した。俺の超絶苦手とするタイプだ。しかし、凄い美人さんだな。竹原なつみがオタクじゃなければ俺は好意を抱いてのにな。と思いつつ苦笑した。竹原は、俺の方を見た。「あれ?千靖くん?私と同じクラスだね!!よろしくね!」と俺の心を落とすかのように微笑んだ。「ああ。よろしくな。」とさっきとはまるで別人のように冷たく言った。
「おお~?藍野~。お知り合いか?よかったら竹原。藍野の隣の席に座ってくれ。お知り合い同士仲良く青春しろよ~。」と小崎先生は竹原なつみを俺の隣の席にした。
クラスの周りからは、「うぉおおおお!藍野。羨ましいぞ!」とか「なつみちゃん!ファイト!」とか言われた。俺はあははと苦笑した。隣を見ると竹原は顔が林檎のように顔が真っ赤になっていた。高熱でものあるかのように。「なぁ。竹原。だ、大丈夫か?なんか熱でもあるみたいだが。」と竹原の額に手を乗せた。俺は「あっつ。熱あんじゃん。」と手を冷まし言った。「う、うん。大丈夫だよ~。す、少し熱あるくらいだから。千靖くん。心配してくれてありがとね!」と照れくさそう言った。「そっか。なんかあったら俺に言えよな。」と俺は心の中にニヤリながら言い、昨日深夜にやったゲームのせいか寝てしまった。気が付いたらお昼になっていた。隣には竹原が
「売店に来たんだよ。昼飯買いに来た。てか智秋お前、リア充言うな。竹原と付き合ってもねーのに。」と竹原に対して否定的に言った。「千靖~。もしかして照れ隠しって奴ですか?てかお前の好きな焼きそばパン売り切れたぞ?」と智秋は誤魔化しつつも言った。
「はぁ!?嘘だろ?もしかして。智秋。お前って奴は。」と言い放ち俺は確信した。「焼きそばパンないからあ~いお茶で我慢しろ。それともあれか?なつみちゃんに食べさせてアーンしてもらいたいのか?」と。全く。この智秋は。俺は自動販売機であ~いお茶をゴトンと音を立てながら買った。「なぁ。千靖~。なつみちゃんってオタクさっき美都葉ちゃんから聞いたけど本当なのか?」と言った。俺は飲んだお茶を吹いて吹いてしまった。「智秋、お前。それ知ってたんだ。そうだよ。竹原はオタクだ。でも俺はオタクが苦手なんだ。」と竹原の事を避けるように言った。
「なぁ。千靖。それは違うしなつみちゃんにも失礼じゃないか?オタクでも恋人になればいいじゃないか。そんな甘ったるい考えじゃ恋人出来ないし、なつみちゃんも誰かに奪われちゃうぞ。」と智秋は笑って言った。智秋もまともな事言うんだな。
「そうだな。智秋。俺、頑張ってみるよ。竹原に告白する。竹原を守りたい。」と俺は竹原に告白する決意をした。あの時、あのぶつかって助けた時から俺は、俺は、竹原の事が好きになったんだ。オタクとか関係ない。俺は本気で人を好きになった。
「ありがとな。智秋。やっと気付いたぜ。智秋。お前は俺の一番の親友だ。」と智秋に感謝の意を込め、智秋は「千靖。俺もだ。俺も千靖は世界一の親友だ。大丈夫だ。行ってこい。」と満面の笑みで俺を送った。
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