第2話
それから数年が経ち、青年は18歳になる年を迎えた。青年は、お世辞にも勉強熱心とはいえず、無気力な日々を送っていた。
だが、ある日一念発起する。小さな頃から聞いていた祖父の話に出てくる大学の話が、青年の心にある小さな火の力強い燃料となってくれた。青年は、大学受験までの4ヶ月間で祖父のいた大学群を目指すことにした。
当然ながら、青年は授業すら危うく成績も悪かった。教師ですらレベルを落とすよう勧めるほどであった。両親ですら青年の合格を信じてはいなかったが、青年と祖父母だけは真剣であった。
青年は1日10時間、全力を懸けて勉強に勤しんで、無事に現役で祖父と同じ大学群に合格した。
その時、青年はとても嬉しかった。彼にとっては合格した事よりも、祖父母を笑顔に出来ることがもっとも重要だった。彼は心から、やっと祖父母を安心させ、喜ばせられると思い晴れた気持ちでいた。
特に祖父は、重いうつ病を抱えていたためにとりわけ元気づけてあげたい人であった。やり遂げたという気持ちが後からじわじわと湧いてきた。
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